急な用事や仕事でどうしても帰れない…そんなとき、子どもに留守番してもらうと助かると思う一方で、ひとりだけで留守番をさせる不安も少なくありません。

 

今回は「子どもの留守番事情」について、小学生以上の子どもがいる読者モニター53人に調査。アンケートの回答から浮き彫りになった課題や、解決するための方法とは?

子どもの留守番デビュー 小学校3年生が最多

保護者の関心が大きいテーマでもある、子どものはじめてはいつから?という疑問。そのひとつに「子どもの留守番デビュー」も挙げられるのではないでしょうか。

 

今回の調査で最も多かった回答は「小学校3年生」で22.64%。次いで、「小学校1年生」が20.75%という結果になりました。

共働き家庭では小学校入学を機に、学童を利用する家庭がそのほとんどを占めます。

 

小学校3年生という回答が多い背景には、子どもの成長に伴い学童を卒業し、家で過ごすという選択をする家庭があるのかもしれません。

 

一方で、「子どもだけで留守番をさせたことがない」という回答は18.86%と3番目に多い結果になりました。

 

子どもだけでの留守番は、危険が伴うことが少なくありません。

 

スケジュール調整するなど、できるだけ留守番が必要なシーンを作らないようにしている家庭方針も読み取ることができます。

「子どもだけの留守番」4人に1人がひやっとした経験あり

既に子どもだけで留守番デビューをさせている家庭では、ひやっとした経験をすることも。

 

実際に、思わぬトラブルに遭遇したと回答した家庭は25.58%。4人に1人が経験をしている結果になりました。

子どもが勝手に外出していた

最も多かったのは、子どもが外に出てしまっていたケースです。

「帰ったら鍵もかけず窓も全開で遊びに行っていた。別の日には、子どもはいないのに子どもの友達が家に入っていた」(30代2児の保護者)

 

「隣町のショッピングモールのゲームセンターに、自転車で同級生と勝手に行っていたことがわかった。自転車で30分弱かかる場所だったので、事故がなくて良かったです」(40代1児の保護者)

 

「コロナ第一波の頃、買い物に行くために子どもひとりでお留守番。玄関や窓を施錠してくれぐれも外に出ないように言い聞かせ、急いで20分後に帰宅してみたら、外玄関の階段でシャボン玉をして遊んでいました」(40代2児の保護者)

家に帰ったらいるはずの子どもの姿がない!そんな気が気でない状況に焦るママたちの姿が見えてきました。

インターホンに出て玄関を開けてしまう予想外の事態も

ほかには、留守番中の訪問者対応に対する声が多く寄せられました。

「宅配便を受け取っていた。宅配便だとしても知らない人の場合は鍵を開けて出ては行けないと教え直しました」(40代3児の保護者)

 

「​​留守番中に宅配便が来て、ドアを開けて、なんとサインまでして受け取っていた」(30代3児の保護者)

留守番中にインターホンに出ると、保護者が不在だと周囲に知られてしまう危険性もあります。

 

宅配業者を装った不審者もいることから、子どもの留守番時には、ドアを開ける危険性も伝えていく必要性も感じます。

帰ったら子どもが大変なことに…

ときには、保護者の想定外の事態が起きることも少なくありません。

「帰ってきたら、子どもが吐いていてビックリ!体調が悪かったのに…と自分を責めました。仕事を辞めようか本気で悩みました」(40代2児の保護者)

 

「もう小4だから留守電しても大丈夫だろうと思って子どもを家に残して仕事に行ったら、子どもが何度も泣きながら電話をかけてきた。外の物音や人の足音が怖かったようです」(30代2児の保護者)

子どもがしっかりしているように見えても、思いがけないアクシデントが起こることも。そんな予想外の出来事への対応についても、心に留めておく必要がありそうです。

留守番中の子どもを守るために実践していることは?

留守番中の事故や事件から大切な子どもたちを守るために、各家庭ではどのようなことを行っているのでしょうか。

8割近くの家庭で留守番中のルールを決めている

最も多かったのは「留守番中のルールを作る」という回答。全体の8割近くを占める結果になりました。

留守番中のルールのなかでも、多数あげられたのは

「留守番中は、インターフォンに出ない」(30代2児の保護者)

という回答です。また、

「親が知っている友達でも、大人が不在のときは家に入れない。勝手に外出しない。火は使わない。何かあったらすぐに連絡する」(40代3児の保護者)

という声もあることから、具体的なルール作りが子どもの留守番時の大きなポイントになることが読み取れます。

約半数の家庭が子どもにGPSや携帯電話を持たせている

次に多かった回答は、「子どもにGPSや携帯電話を持たせる」で46.51%。全体の半数を占める結果になりました。

「携帯を持たせて、何かあったら連絡が取れる体制を作りました」(40代3児の保護者)

 

「出かけるときはGPSを持って、必ず鍵を閉めて出かけることを約束しています」(40代1児の保護者)

ほかには、行き先の詳細について連絡してもらうようにしているという家庭も複数ありました。

「遊びに行くときは必ずLINEで誰とどこに行くかを送ってもらう」(40代1児の保護者)

自宅の防犯対策も大切

3番目に多かったのは、「防犯面で安心できる環境を整える」という回答で37.2%。

「オートロックマンションを購入」(40代3児の保護者)

 

「留守中のインターホンは消音にする」(40代2児の保護者)

 

「火元は絶対にロックかけておく」(40代2児の保護者)

留守番中はキッチンに入らないように伝えているという声や、定期的に電話をかけて、子どもの様子を確認しながらフォローをしているという声もありました。

子どもだけの留守番は“成長の機会”につながる

今回のアンケート結果からは、保護者の子どもだけで留守番させることに不安や葛藤を抱えている状況や、危険を未然に防ぐためにルールを作るなど、さまざまな工夫を凝らしている保護者の努力が伺えました。

 

とはいえ、子どもの留守番デビューには、子どもの生活力が身につくというプラスの面もあるもの。子どもの自立を促すひとつの機会として、親子で乗り越えていけるといいですね。

 

アンケート調査概要/期間:2022年2月1日(火)〜2月14日(月) 人数:53人(CHANTOモニター読者) 方法:インターネット

文/鈴木実香里