時には夫にイライラすることも、夫婦喧嘩もある。でもその気持ちはすぐに消えていくと話す菊地亜美さん。家族との生活で感じる彼女の機微を伺いました。
「お風呂だけは…」夫との約束です
── 2020年にご長女を出産されて本格的な育児に入るときに、これだけは大事にしようと意識されたことはありますか?
菊地さん:
育児で一番大切にしていることは、どんなに仕事をしていても、娘に「ママは私が一番なんだ!」と思ってもらえること。
大好きな仕事を頑張ろうという気持ちはもちろんありますが、やっぱり家族が一番です。
仕事をすることで、娘に寂しい思いだけはさせたくないし、娘にとって楽しいママでいたいなと思っています。
── その思いを貫くために、旦那さんがされていることは?
菊地さん:
夫とは、育児も分担できています。私が仕事のときは娘にご飯を食べさせ、保育園に連れて行くのも夫です。
また、どんなに忙しくても、家にいる時は必ず娘をお風呂に入れてくれます。これは、子どもが生まれる前に夫とした約束なんです。
忙しい日々でもお風呂だけは一人でゆっくりできて、リフレッシュさせてもらっています。
── ご主人が在宅であれば、お風呂で菊地さん自身の時間が取れているんですね。
菊地さん:
そうですね。入浴時間は出産後もあまり変わっていないです。お風呂好きな私としてはありがたいです。
もちろん夫とケンカもいっぱいするし、たまにはイラっとしたりもあります(苦笑)。そういうときこそ、夫のふだんの優しさや行動を思い出すようにしています。
ワンオペの時は家事はやらないでいい(笑)
── 菊地さんのご家庭も共働きということで、ときにはワンオペになってしまうこともあると思いますが…。
菊地さん:
夫の仕事は出張があるので、ワンオペになることはありますね。そのときは、「家事はどうでもいい」と割りきります(笑)。
洗濯物も洗う食器も溜まっているけれど、娘が一番。娘が楽しければ、「次の日にやればいいや」と部屋が汚くても気にしません。
全部を完璧にやろうとすると、できない自分にイライラしたり、テンションが下がったりするじゃないですか。だから、娘と一緒に楽しく過ごすことしか考えていません。
とてもじゃないけど、ワンオペのときの家の中は人には見せられないですよ(苦笑)。
── 家事も育児も、ご自身にストレスがかからないようにされているんですね。
菊地さん:
そうですね。もし私がストレスを抱えてしょんぼりしていたら、娘もショックだと思うので、楽しいと思える範囲でしか家事はやらないんです。
離乳食も、楽しいし好きだから作れているんですよね。
── 離乳食を作るの楽しさって、どんなところでしょうか?
菊地さん:
量もほんのちょっとだし、食材をつぶすのも簡単だし…それを娘のためにやっている時間が楽しいんですよね。逆に大人が食べる料理を作るのが面倒くさくなってきました(笑)。
ピンチだと遠方からかけつける母の存在
── そうした家事のメリハリが菊地さんの育児の秘訣なんですね。ちなみに、菊地さんがお子さんのために楽しいママでいたい想いは、ご両親から感じたことなんですか?
菊地さん:
うちの両親も夫の両親も似ているんですが、家庭がめちゃくちゃ明るいんですよ。
でも、ムリに明るくしようとは思っていなくて、多分、ネアカ(笑)。だから、よく「私たちは(お互いの)両親に似ているね」って、夫とはよく話しています。
私自身、家が本当に好きでした。“家=楽しい”ってイメージで。そういう楽しい家庭にしたいなと思いますね。家が好き、家が楽しい!という子になってもらいたいです。
── そんな楽しい家庭を作ってくださったご両親。お孫さんの育児にはどう接しているのでしょうか?
菊地さん:
すごくサポートしてくれています。私も夫も仕事が重なってしまって、保育園の利用時間内では預けられないときや、私の体調が悪くなってしまったときとか。
夫婦共に仕事の日に娘が熱を出したときも、私の母は北海道からすぐにかけつけてくれました。
── お母様が感染予防も徹底したうえで、東京まで来てくださったんですね。
菊地さん:
両親は50代でコロナも心配だったので、出産後すぐのころは「東京には呼べないね」という話を夫ともしていたんですけど。「いや、こっちも緊急事態だ」という話になって。
母にはすごくお世話になっています。父もありえないくらいかわいがってくれていて、ほぼ毎日、娘とテレビ電話をしています。
夫の両親ともいつもテレビ電話で話したり、写真も双方の親と共有したりしています。娘がハマっているものや、おもちゃを送ってくれて助かっています。
教育方針で喧嘩も、お互いを知る機会に
── そうしたご両親とのコミュニケーションも、育児には欠かせないのですね。たくさんの愛情を注がれているお子さんには、今後どんなことをしてあげたいですか?
菊地さん:
娘がやりたいことはやらせたいなと思います。「あれほしい、これほしい」というわがままじゃなくて、挑戦したいということは、すぐ止めてもいいので一回挑戦させたいなって。
子どものときは何がやりたいかわからないから、楽しくなさそうだったら、やめていいと思っていますね。
自分で何かやりたいなと思ったことがあったら、それを一番にやらせたい。そういう自分の意志を伝えられる子になってほしいなって思っています。
でも一つだけ、私も夫も、英語は小さい頃から話せることができたらいいなと願望があって。英語を学ばせたいなとは思ってるんです。
でも、ガツガツ頑張ってやるよりは、まずは日本語をきれいに覚えて、やりたかったら、楽しかったら、やらせようという感じで考えていますね。
── 旦那さんと教育方針について話されますか?
菊地さん:
すごく話します。「それは違うよ」とぶつかることもあるんですけど、夫が何を考えているのかを知ることができるので。お互いの思っていることを知ることが、大事だと思うんですよね。
PROFILE 菊地亜美さん
1990年北海道生まれ。「アイドリング!!!」を14年に卒業後、バラエティ番組を中心にテレビに多数出演。18年に結婚、20年に第1子を出産。YouTubeやインスタグラムなどのSNS活動や、基礎化粧品のプロデュース業などマルチに活躍。
取材・文/小松加奈 画像提供/レプロエンタテインメント