4月の小学校入学に向けて準備を進めている家庭も多いのではないでしょうか?その一方で、子どもの小学校入学を機に直面する「小1の壁」に不安を感じる方もいるかもしれません。
「小1の壁」とは、子どもの小学校入学を機にサポートが増え、仕事と子育ての両立が困難になること。共働き世帯がマジョリティとなった現代の社会的問題となっています。
今回は、「小1の壁」の実態を探るべく、読者モニター53人にアンケートを実施。体験談から見えてきた、リアルな課題とは──?
「小1の壁」経験者は7割に迫る結果に。入学後に直面する課題は?
今回小学生以上の子どもがいる家庭に、「小1の壁」の有無について聞いたところ、「はい」と回答した方は66.03%。
全体のおよそ7割に迫る家庭が直面している「小一の壁」。実際にどのようなことが保護者の負担になっているのでしょうか。
2人に1人のママが感じる「プリント確認と提出物の多さ」の負担
「小1の壁」で大変だったことを聞いたところ、最も多かった回答は「プリントの確認・提出物の多さ」で48.57%。2人に1人のママが負担を感じているようです。
「登校初日に数十枚のプリントを持ち帰ってきて、ただの連絡なのか、対応が必要なものなのか選別するだけで大変でした」(30代2児の保護者)
「毎日プリントを持ち帰ってくる。何枚もあって目を通すのも大変だし、集金や保護者会の日程はメモしておかなくてはと気が抜けなかった」(30代3児の保護者)
保育園や幼稚園のとき以上に増えたと感じる方が多いプリントの確認は、忙しい保護者の負担になっている状況が伺えます。
宿題のサポートで、へとへとに…
そして、次に多かったのは、45.71%のママが大変だと感じている「宿題のサポート」。
「学童保育室では自習の時間があり、宿題もできますが、先生は教えることはしてくれません。仕事の後、食事を作りお風呂に入れて寝かしつけまでの間に宿題の時間が加わり、かなりハードでした」(40代3児の保護者)
「フルタイムで働いているので、ご飯やお風呂を済ませて21時に寝かせるだけでやっとなのに、宿題のフォローや持ち物の確認など親のタスクが増えて大変だった」(30代2児の保護者)
小学校では、学校生活にある程度慣れてきたタイミングで、家庭学習として宿題が始まります。習慣づくりなどのサポート以外にも、丸つけや音読のチェックも。
声をかけて子どもがスムーズに宿題をしてくれる場合はいいですが、なかなかうまくいかないというのが実情かもしれません。
PTA活動のあり方が問われている?
他にも、小学校ならではの「PTA活動」にまつわる声も多く寄せられました。
「登校班の見守りで朝付き添いがあります。学校行事は基本平日の日中、PTA加入は任意なはずだが退会させてもらえないのに加え、子どもの体調不良時の休暇取得で、年間有休が底をつきそうになった」(30代2児の保護者)
「PTAの役割はさまざまあり、毎年役割を担わなくてはいけないルールがあったので、仕事との調整が大変だった」(30代2児の保護者)
PTAの活動時間や役員の義務化など、そのあり方がそのものが問われているようにも受け取れます。
友人関係や学校生活を把握しにくい状況も
なかには、保育園時代に比べると先生と接する機会が格段に少ないというギャップを感じる方も少なくありません。
「先生との接点がないため、学校でどのような生活をしているかがわからない」(40代2児の保護者)
という声もあり、子どもとの会話から、友人関係や学校生活を把握せざるを得ない状況に戸惑う保護者も多いようです。
およそ7割のママが感じる「仕事と子育て」両立の不安
さらには、仕事と子育ての両立で、悩んだことがあるというママは、67.92%。なんと全体の7割近くを占めています。
圧倒的に多かったのは、仕事のスケジュール調整に関する悩みです。
「土曜授業が月1であり、土曜日の習い事を平日振替で調整する必要があったので、平日の自分の休み調整が必要になる」(40代2児の保護者)
「登校班の見守りや学校行事、子ども会の行事やスポーツの立ち当番などがあり、月に何回も仕事を休まないといけなくなりました」(40代2児の保護者)
「下の子の保育園もあるのに、小学校の行事、PTAの活動がそれぞれバラバラの日程で行われるので、スケジュール管理に苦労しました」(30代2児の保護者)
また、時短勤務に切り替えたという声や、仕事を早く切り上げる選択をした為に収入が少なくなったという切実な声も。
働き方に大きな影響が出ている問題も浮き彫りになりました。
新しく始まる「小学校生活」子どもの成長も大切にしよう
今回のアンケート結果から、子どもの小学校入学時に保護者が大きな負担を感じているという状況以外にも、スケジュールの調整等でママたちの働き方を圧迫している状況が伺えました。
「小1の壁」という大きな試練の一方で、その時期ならではの、子どものかけがえのない成長過程も大切にしていきたいもの。
子ども自身も新しい環境の中で頑張っているということも忘れずに、工夫をしながら乗り越えていきたいですね。
アンケート調査概要/期間:2022年2月1日(火)〜2月14日(月) 人数:53人(CHANTOモニター読者) 方法:インターネット
文/鈴木実香里