何かと批判の多いPTA。特に働くお母さんが多い現代では、なおさらPTAをやりたがらない人が増えています。最近では、PTA会議に遅れてしまったシングルマザーのエピソードがネット上で話題に。
PTA役員決めで「遅刻したから会長」エピソード
以前に、とある匿名掲示板に寄せられた“PTAって一体なんのためにあるの?”という投稿に共感する声が続出しました。投稿者は、6年生の娘と暮らすシングルマザー。本部役員の役割決めを行うPTA会議に15分ほど遅れてしまった投稿者は、会議室についた時点で“会長”に任命されていました。
子供の世話や仕事を1人で背負っている投稿者が“自分にはできない”と素直に伝えたところ、返ってきたのは「仕事しているのはみんな同じ」「遅れたから会長は当たり前」などの冷たい言葉。最終的に会長は決め直しましたが、裏では他の保護者から陰口を叩かれていたそうです。
今回の件で投稿者は、「仕事を休んだら収入も削られる」「役員会議中は子供はずっと1人」「PTAって何のためにあるの?」といった胸の内を投稿。するとネット上では「働く主婦にとっては、荷が重いだけの迷惑なボランティア」「なんで自分の子どもとの時間を削って、他の子供の為に働かなきゃいけないんだって思っちゃう」「わが子のためにと頑張ったけれど、今思えばわが子に迷惑かけただけ」など、PTA役員経験者から共感の声が続出しました。
一方別の掲示板でも“PTAの必要性”について物議を醸しており、「PTA活動の大半は不必要なものばかり」「ベルマークの切り貼りするために、仕事を休めとか冗談じゃない」「やりたい行事があれば、有志を募ってやればよいこと」などPTAへの不満を募らせています。
尾木ママが教えるPTAのあるべき姿とは?
以前放送された「ウワサの保護者会」(NHK)では、“PTAに対する意欲”について特集。番組で保護者300人に行ったアンケートによると、「PTA活動をやりたくない」と答えた人は全体の86.3%。番組では保護者の「やりたい」「やりたくない」気持ちを無視した、PTAに潜む“強制力”がやりたがらない人を増やす原因だと明らかにしました。
教育評論家の尾木ママで知られる尾木直樹先生は、強制的なPTA活動に対して「戦時中みたい」と揶揄。さらに「やりたい人が任意でやりたいことをやればいい」と続けました。“任意”になると、誰もやりたがらないように思われがちですが、逆にどんどんPTA活動が広がっていくのだそう。
実際にPTA活動を「楽しい・ためになる」と感じている人は、自分のやりたいことを積極的に活動の中で実現させていました。
例えば、毎年参加者を集めるのに苦労する「先生の歓送迎会」。参加者が集まらない原因となる“儀式のような堅苦しいイメージ”を払拭するために、様々な対策を考案。昼食のサンドイッチをスイーツに変えたり、簡単なゲームで場を盛り上げるなど自分のアイデアを実現させたことで歓送迎会は大成功に終わりました。
どうしても<敬遠されがちのPTA活動。今までのやり方を少し見直して、「嫌われもの」のイメージが緩和されるといいですね。
<あわせて読みたい人気記事>
子供のためのPTAなのに休日はママさんバレー…本末転倒な組織の意義って?
文/内田裕子