「伝わるパワポ資料」の作り方をパワポ芸人・トヨマネさんが解説する本連載。第3回は、箇条書きにしたメッセージを元にして、スライドの構成を設計する方法を紹介します。
メッセージを分解して図解しよう
メッセージの内容を視覚的にスライド上に表現するときに便利な手段のひとつが「図解」です。図解とは、(1)位置関係(2)流れ(3)大きさ、の3要素によってメッセージを示すものです。図解の例を見てみましょう。
このように、位置関係、流れ、大きさの3要素を用いることで、要素のさまざまな関係性を見せることができます。ほかにも、例えばこのようなパターンもあります。
図解の本質はつねにシンプル。伝えたいメッセージに3要素がどのように含まれているのかを意識しながら、難しく考えすぎずシンプルに表現してみましょう。
またここでは紹介しませんでしたが、数字を説明するときは棒グラフや折れ線グラフといったグラフを用いることも効果的です。
アウトラインを作る
次のステップは「アウトラインを作る」です。パワーポイントで資料を作るときはまず「章立て」を作り、次にその章の内容を説明する1行の「メッセージ」を考えます。
基本的には、このメッセージ1行が1枚のスライドになっていきます。このメッセージをビジュアル化していくのがアウトライン作りです。このステップも、紙とペンで進めることをおすすめします。
まずスライドの上部にメッセージを簡潔に書きましょう。こうすることで、スライドの内容をブレずに伝えられます。
次に、「Zの法則」を意識して要素の配置を考えます。人間は横書きのものを見る際は、無意識に左上、右上、左下、右下と、ちょうどアルファベットのZを描くように視線を動かします。
このため、要素をこの流れに沿って順番に配置することで、話の流れを自然に把握できるのです。
Appleが新製品発表で使うスライドは、大きな写真と1行のコピーだけ、のように情報量が少ないですよね。これは口頭で補足することを前提としたプレゼンのためのスライドです。
その対極にあるのが、大学の教授が講義に使用するような、1ページに情報をぎっしり詰め込んだスライドです。
大会場でのプレゼンには向きませんが、その場にいなくてもスライドさえ読めば、ある程度内容が把握できる特徴があります。
そして私がTwitterで発信して多くの方に見ていただいたパワポ作品「もし桃太郎がイヌ・サル・キジにお供になってくれるようプレゼンしたら」では、両者の中間を意識して作成しました。
発表、資料用のどちらの用途にも使える、ちょうどいいスライドを目指して情報量を調節してあります。
大切なことは、自分の目的に合わせて情報量を調節すること。どんな場面で使うのかを意識しながらアウトラインを作成していきましょう。
PROFILE 豊間根青地さん
パワポ芸人。1994年東京生まれ。飲料メーカーで通販事業のCRMや広告などを担当する傍ら、趣味のPowerPointで作成したスライドがTwitterで大きな反響を呼ぶ。アカウント(@toyomane)は1年間で5万人以上のフォロワーを集める。「くだらないけど、ためになる」をモットーに、スライド作成のノウハウや、あまり役立たないネタ画像などを各種SNSで発信中。
取材・文/出雲井亨 資料提供/豊間根青地