安田美沙子さん
子どもにしてあげられることについて悩んだ経験を話してくれた安田さん

「実は息子、学習塾を辞めちゃったんです…」と話す安田美沙子さん。

 

「親が子どもにしてあげられることってなんだろう」親なら誰もが一度は考えるこの問いに安田さんが出した答えとは?

男の子って純粋!かわいくて大好きです

── 今日の取材スタジオに入られてすぐ「あ、息子の鼻噛んだティッシュがポケットに入ってた…」と呟かれていましたね。子どもって、お菓子を食べた後の紙ゴミとかなんでもママに渡してきますよね?

 

安田さん:

そうそう、出かけるときの荷物とかも結局全部私が持ってて。

 

小さい子どもを連れた家族で、ママが大荷物、パパが身軽だと「あ、やっぱり…」って思いますよね。

 

── でも、息子さんのティッシュの話をしている安田さんはなんだか嬉しそうでした。

 

安田さん:

そうなんですよねー。職場なのに気が抜けちゃったというか、何だか無性に愛おしくなっちゃいました。

 

── 4歳と1歳の男の子を育てている安田さん。息子さんたちはかわいいですか?それとも大変?

 

安田さん:

いや、そりゃもうかわいいですよ!異性だからなのかな?もう基本的にかわいい。

 

女の子はもう少し成長すると生意気になるって聞くこともあるんですが、なんだろう、男の子の純粋さが大好きです。

安田美沙子さん
男の子のやることってかわいい!と話す安田さん

ただ、兄弟喧嘩には手を焼いています。オモチャの取り合いとか、本当に些細なことで始まるので、「男の子ってこうなの?」と、白目になってます。

 

思い起こせば、私も(双子の)弟としょっちゅう取っ組み合いの喧嘩をしていたんですよね。

 

でも、母は弟をすごくかわいがっていて、私はよく焼きもちを妬いていたんです。今思えば、母は弟のことが心底かわいかったんでしょうね。男の子の母になってみて、当時の母の気持ちがわかった気がします。

今できるのは子どもと一緒に全力で楽しむこと

安田さん:

長男は4歳ですが、周りには既にいろんな勉強をキッチリさせているママも多くて、焦ることもあります。

 

うちも学習塾に通ったんですが、宿題をやるのに親子でバトルになったり、そのせいで私がイライラすることも増えてしまって…。結局辞めちゃいました。

 

── 宿題で親子バトル…多くのママが共感しそうです。

 

安田さん:

そうですかね。

 

しっかり勉強をさせているママと比べて落ち込んだりもしましたが、夫とも相談して「今は、家族みんなで笑って過ごせる時間を大切にしよう」と。

 

じゃあ、学習塾をやめた時間で何をする?今の私にできることは何かな?って考えて出した答えが「息子たちとの時間を全力で一緒に過ごす」だったんです。

 

── マインドを切り替えたんですね。具体的には何をして過ごすんですか?

 

安田さん:

たいしたことじゃないですよ。公園遊びとか料理を一緒に作るとか、そういうことです。

 

ただ私なりのコツがあって。自分も一緒に楽しめるかどうかも意識しています。

 

公園遊びだったら「私が行きたいと思う、ちょっと遠いけど大きい公園」を選んだり。そうすると親としての義務ではなく私自身も楽しめるので、結果みんなも笑顔でいられるんですよね。

 

私は走ることが趣味なので、子どもと一緒に走ったりもします。長男は「速く走れるようになりたい!」って言ってくれて嬉しいです。

安田美沙子さんインスタグラムより
公園で安田さんと一緒に走る息子さん(安田さんのインスタグラムより)

コロナ禍では自宅に砂場を作って

── その前向きさ、見習いたいです…。

 

安田さん:

与えられた条件の中でやりくりするのが根本的に好きなんだと思います。

 

コロナ禍で外出できなかった際は、自宅に砂場を作りました。テラスにビニールプールを置いて、その中に砂を入れたら、家でも公園の砂場のように遊べて楽しいかなって。砂はネットで購入しました。

 

── 今は、自宅遊び用に抗菌された砂が売ってますよね。

 

安田さん:

そう、少し粘性があって散らばらないから便利なんですよね。でも、いざ届いたら、あまりに1袋の量が少なくてビックリ。プールの底にほんの少しあるだけ、みたいな状態で。慌てて20キロ入りの砂を追加注文しました。

安田美沙子さん
育児が忙しくなるにつれ、決断と行動は早くなった

── 本当に「思い立ったら即実行!」ですね。自宅に砂場があったらお子さんも喜びそう。

 

安田さん:

子どもたちには、できるだけいろんなことを経験してもらいたいんです。本人の意向もありますし、簡単じゃないですけどね。

 

── 安田さんが「ママ」として子どもに何をしてあげればいいのかを模索している様子が伝わってきます。

 

安田さん:

小学校に入ったら、親子の触れ合い以外のタスクもいろいろ発生するんでしょうね。

 

送迎の必要もなく、自分で通うようになるという点ではラクになるんでしょうけど、勉強なんかは、大変そうだな…。

 

見てあげようとすればいくらでも手出ししちゃいそうだし、逆にいくらでも放っておくこともできる。どこまで親が手をかけるのがちょうどいいのか、今後はそのあたりで悩むのかもしれません。

 

でも、子どもたちが未就学児の今は、親子の触れ合いこそ大事にしたい、そう思っています。

 

PROFILE 安田美沙子さん

82年京都府生まれ。ドラマや映画等で活躍する傍ら、フルマラソンにも挑戦。31歳で結婚し、現在は男児2人のママ。食育インストラクターの資格取得や和ブランド『FOUR O FIVE』プロデュースなど精力的に活動中。2022年1月13日、ライフスタイルブック『安田美沙子のRunから始まる笑顔な暮らし』(小学館刊)を発売予定。

取材・文/井上佳子 撮影/坂脇卓也