ひとりの女性が一生のうちに産む子どもの数は昨年平均で1.34人(※1)と言われています。少子化がすすむ現代にあって、会社員のミッフィーさん(41歳)は、5人姉弟のママ。きょうだいの年の差は18歳!そんな家族のにぎやかな生活について聞きました。
38歳で5度目の妊娠も流産で恐怖心が消えず
21歳で同級生の夫と結婚したミッフィーさん。夫婦ともに、3人きょうだいで育ったため、結婚当初は「子どもは3人ほしいね」と話していました。
「22歳で長女、24歳で長男、25歳で次男を出産。希望通り3人の子どもを授かりましたが、子どもたちの手が離れるにつれて、“赤ちゃんのぬくもりや匂い”が恋しくなってくるんですね。ちょうどその頃、4人目を妊娠しました。32歳のときです」
思いがけない妊娠にとまどいもあったそう。でも、夫婦ともに出産以外の選択肢はありませんでした。途中、切迫早産で入院しましたが、無事に4人目の子ども(三男)を出産。
「三男も元気に育ってくれました。大きくなるにつれ、三男が“赤ちゃんほしい!”と言うように。私自身、赤ちゃんは大好き。三男の言葉を聞いていると、“もうひとりいたら幸せだろうなあ、三男をお兄ちゃんにしてあげたいなぁ”と感じるようになりました」
38歳で5度目の妊娠。ところが、そのときの赤ちゃんは稽留(けいりゅう)流産(出血や腹痛などの流産の兆候はないが、赤ちゃんの成長や心拍が止まってしまい、子宮内にとどまっている状態のこと)してしまいました。本当に悲しく、流産の手術に対する恐怖心も消えませんでした。
「でも時間が経つうちに、“もし、今回流産してしまった子に会えないまま人生を終えたら、後悔するかもしれない”と感じるように。もちろん、同じ子が戻ってくるわけではありませんが、もう一度赤ちゃんを抱っこしたいと願う気持ちが強くなりました」
5人目の出産は子どもたちの協力のおかげ
39歳で人生初の妊活を開始し、無事に妊娠。ミッフィーさん夫婦はもちろん大喜びです。そのとき長女17歳、長男16歳、次男14歳と、子どもたちは多感な時期を迎えていました。
妊娠・出産で迷惑や負担をかけるかもしれない…、難しい年頃だから否定的な反応をされたら…。子どもたちのことを考えると不安が募り、ミッフィーさんは妊娠をなかなか告げられずにいました。
「でも、つわりが重くて寝こんでいると、見かねた長男が“病院に行ったほうがいいんじゃないの?”と何度も言ってきました。そこでとうとう妊娠したことを告げると、“なんだ、なんでもっと早く言わないの?”と、あっさりした反応が。拍子抜けしましたね」
ずっと具合が悪そうで、仕事に行く以外は横になっているミッフィーさんを見て、長男は「何かよくない病気なのか?」と心配していた様子。薄々妊娠に気づいていた長女はもちろん、次男も当たり前のように妊娠を受け入れました。
「赤ちゃんが生まれることを喜んでくれたことがとても嬉しかったです。もっと“自分の子どもたちを信じないといけないな”と、思った瞬間でした」
地域柄なのか、子だくさんの家庭が多く、子どもが8人いるママ友もいます。周囲に5人目を妊娠したと伝えた際も、驚かれるよりは「おめでとう!」「大事にしてね!」とごく普通に祝福してくれました。
「さすがに私の母も最初は驚いていましたが、それでもすぐに喜んでくれました。私も、今度こそ無事に産まれてほしいと心底願いましたね」
妊娠中は、子どもたちが積極的に家事などをサポート。出産のため入院した時期は、長女が高校卒業間近のタイミング。登校しなくていい時期で、家にいることが多く、助けてもらったそう。
「もし子どもたちが全員小さかったら、出産時は誰かにヘルプを頼まないといけませんでした。上の子どもたちが協力し合ってくれてありがたかったです」
夫と姉弟たちのサポートを受け、ミッフィーさんは2021年1月、5人目となる次女を出産しました。
10代のお兄ちゃんは“ぷにぷにほっぺ”に夢中!
5人姉弟になり、ミッフィーさん一家はこれまで以上に、にぎやかに。年の離れた子どもたちは積極的に赤ちゃんの世話をします。
「私が家事をしている時など、皆が抱っこしたりあやしたりしてくれるので、とても助かります。家族の中心に赤ちゃんがいる感じで、笑顔が増え、雰囲気が柔らかくなりました。とくにお兄ちゃんたちは赤ちゃんならではの“ぷにぷにほっぺ”に夢中みたい。もちろん夫もデレデレです」
また、ミッフィーさんが赤ちゃんを見ていて同じ食卓につけないとき、上の子どもたちは親代わりになり、下の姉弟にしっかりしつけをしてくれることも。
「食事中のお箸の持ち方や、ひじをつかないなどのマナーを、長女や長男が三男にビシッと注意しています。上の子たちが下の子に教えてくれるのは本当にありがたいです」
まさか自分が5人の子どもの母親になると思わなかったというミッフィーさん。毎日ワイワイとにぎやかに過ごしています。
「さみしいと思うヒマがありません。子どもたちの将来がとても楽しみです。私ももっと頑張って働かなくては!と日々活力を与えてもらっています」
※上記は、ミッフィーさん個人の経験談・感想です。
ミッフィーさん(ブログ https://ameblo.jp/riemama4/entrylist.html)
(※1)厚生労働省 平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/kekka02.html
取材・文/齋田多恵 画像提供/ミッフィーさん