少額クレカ決済を恥ずかしがる義母

世の中の移り変わりは早いもの。

 

買い物といえば現金だった時代はとうに過ぎ、クレジットカードや電子マネーが当たり前の時代です。

 

すでに後期高齢者となった義父母、そして同居生活を送るわが家は、この時代の流れにどう対応しているのでしょうか。

生活費の精算がうまくいかない

わが家の義父母は、二人とも年齢の割には新しい物好きです。

 

スマホも(限られた機能ながら)何とか使いこなし、パソコンを使ってネット検索などもしています。

 

完全同居のわが家の家計は、生活費の一部として義父母から毎月決まった額を預かっています。そして私たち若夫婦が光熱費から日用品、食品など基本的な生活費の決済をする、という流れになっています。

 

私が主に買い物を担当していたときはそれであまり困らなかったのですが、最近、私が仕事で遅くなる日が増え、義母に買い物や食事の支度をお願いすることが増えました。

 

生活費の精算(義母が支払った生活費を払い戻す)が面倒なので、日常的な買い物は、義母に渡してあるクレジットカード(家族カード)でお願いしたい、と何年も前からお願いしているのですが…これがうまくいかないのです。

 

クレジットカードは口座から直接引き落としになるから精算の手間もいらないし、ポイントだってつくんですよ、と何度お願いしても義母は「だって数百円でクレジットカード使うの恥ずかしいんだもん」の一点張り。

「クレジットカードは借金」という意識

話をよく聞いてみると、どうも義母には「クレジットカードは借金だから、少額で使うのはお金のない人がする恥ずかしいこと」という意識があるようです。そのため大きな買い物でクレジットカードを使うのには抵抗がないそう。

 

確かに、無計画な使い過ぎには気をつけなくてはなりませんが、しかしそれもまたずいぶん極端な意識です。

 

結局、今のところは義父母から生活費を預かる→そのなかから一部を義母に預ける→買い物の明細を帳簿につけてもらい、たりなくなったらまた義母にお金を渡す、という、なんとも回りくどい流れになっているのです。ああ、面倒くさい。

プリペイドカードは使える義母

そんな義母ですが、プリペイドカード類は意外なほどに使いこなしています。「あのコンビニ、プリペイドカードでお会計すると、今ならコーヒー1杯無料なのよ」などと教えてくれたりします。

 

コンビニや量販店ごとに違うプリペイドカードは複雑で、私はあまり持ちたくありませんが、義母は何種類も使い分けています。

 

決して現金での買い物以外は受けつけない、というわけではないらしいのです。

 

さらに、日用品を買いにドラッグストアに行こうとすると「来週月曜日ならポイント5倍の日よ?」などと言われることもしばしば。義母はよく行く店のポイントカードについても各種取り揃えており、ポイント2倍デーなどの情報も熟知しています。

 

確かにお得なことは良いことです。私だって、もう少しマメな性格だったら、義母のようにプリペイドカードやポイントカードを活用したいという気持ちはあります。

 

しかし…しかしですよ。

 

「少額でクレジットカードを使うのは恥ずかしい(決して私の意見ではありません!)」と思うのに、ポイント2倍デーを狙って買い物に行くのはいいのか?

 

「少額でクレジットカードを使うのは恥ずかしい(重ねて言いますが決して私の意見ではありません!)」と思うのに、おまけのコーヒー目当てにプリペイドカードで買い物するのはいいのか?

 

義母のNGラインが全然わからない…!

 

長年一緒に暮らす家族といえども元は他人、わかり合えないこともある…いや、わからないことだらけなのは当たり前です。

 

それぞれの「ここはどうしても譲れない」というラインは尊重していかなければ…そう頭では思っていますが、やっぱり納得いかない!と思う同居嫁なのでした。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ