三世代同居の我が家、後期高齢者の義父母と10代の孫たちの間には、約70年ものギャップがあります。
令和の時代を生きる孫たちにとって、同居する祖父母はどんなふうに見えているのでしょうか。子どもたちそれぞれにそっと聞き出してみました。
義父母にイライラする!反抗期の娘
現在、思春期&反抗期真っ只中の12歳娘。
義父母のちょっとした言葉尻を捉えてイライラしたり、じとっとした目で何か文句を言いたそうにしていることもしばしば。
心のなかにたくさん言いたいことが溜まっているのでは…と、カフェに連れ出してじっくり話を聞いてみました。
「おじいちゃんおばあちゃんとの関係で、何か困ったなと思うことない?」
と聞いてみると
「世話焼きすぎ!私が片づけようと思ってるものを先に片づけて、どうしてやらないのって怒られるとイライラする!好きな音楽聴いているときとかにわざわざ大きい声で話しかけてくる!服装になんかいろいろ感想言われるのも嫌なときある!食器棚の扉ちゃんと閉めなさいとか言われる!おばあちゃんだって忘れるときあるのに!!」
と、出るわ出るわ、不平不満のオンパレード。
聞いている私としては、それは確かにイライラするよねぇ、と共感する部分と、義父母の気持ちもわかるな、と思う部分とで頷いたり苦笑いしたりです。
生まれたときからお年寄り…!?
しかしその後すぐに、娘はつけ加えました。
「よかったなと思うこともたくさんある。一緒に遊んでくれるし、お菓子とか買ってくれるし、二人とも料理がすごく上手で、趣味もたくさんあって、スーパーおじいちゃんおばあちゃんだと思う」
と。
ここだけ義父母に伝えたら泣いちゃうな…とホロリとしてしまいました。
ジェネレーションギャップを感じることは多い?という質問については、
「おじいちゃんおばあちゃんは、若い人のこともちゃんとわかろうとしてくれてるので、あんまり感じたことはない。だから、おじいちゃん達から昔の話を聞くとびっくりする。子どものころに疎開していたとか、中国(満州)で生まれたとか…私はお年寄りになってからの二人しか知らないから」
とのこと。
なるほど12歳娘にとっては、義父母は生まれたときからずっと「元気なおじいちゃんおばあちゃん」なのか!
まだ幼い娘は、義父母がいつの日か元気でいられなくなるということは想像すらしないようでした。
思えば幼いころの私も、祖父など身近なお年寄りを見送ることで、ようやく老いというものを意識するようになったかもしれません。
若いころには、家族が衰えていくことなど想像もつかないのかもしれないな…そう思って切なくもなりました。
義父母の衰えを実感している16歳息子
同じように、16歳になった息子にも、祖父母のことをどう思うかと聞いてみました。
「小さいころから一緒にいるから、もういるのが当たり前で、別に困ったと思うことはない。たまにイラッとしたりはするけど、それはお互いさまだと思うし」
と、娘と似通ったところもありつつ、さすがに大人な感じの答え。
子どもたちにとって義父母は、私たち夫婦のように「同居することを選んで決意した人たち」ではなく、「いて当たり前の家族」なんだなぁ、と、これまた改めて気づかされたのでした。
息子には
「数年前と比べて、祖父母の衰えを感じたことはある?」
と直球で聞いてみました。義父母はもう後期高齢者。いつ介護が必要な状態になってもおかしくないのです。
息子の答えは
「そう言われてみると、前よりちょっとは元気じゃなくなったかな…。いつまでも頼りっきりじゃなく、自分でできることはちゃんと自分でしていかないとなと思う」
とのこと。
さすがに高校生、いつまでも元気でいてくれるわけではないことを、薄々予感はしているようです。
私たち夫婦と義父母は、同居を決めるとき、不安もあり、いさかいもありながら、少しずつお互いを理解し合いながら、心許せる家族になってきました。
しかし、子どもたちの意識はそれとはまったく違うものでした。
考えてみれば当たり前のことなのですが、今回そのことを改めて確認でき、とてもよかったと思っています。
最近気になるのは、義父母の介護、そして同居ゆえに子どもたちをヤングケアラーにしてしまうのではないか、という不安です。
次回はそのことについて考えます!