「ほうれい線は、できやすい人とそうでない人がいます」と、皮膚科専門医の土屋佳奈先生。今回は、ほうれい線ができやすい人の特徴を解説します。美容に気をつかうだけでなく、食事や生活習慣なども関係があるようです。
シャワー派の人ほど、ほうれい線ができやすい?
自分はほうれい線ができやすいタイプなのかどうか、気になりますよね。まずは、下記の項目で当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
- 普段あまり運動をしない
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お風呂のときはシャワーだけで済ましてしまう
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姿勢が猫背気味である
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インスタント食品が多く、肉や魚はあまり食べない
- 野菜や果物が好きではない
いかがでしょうか?上記は、ほうれい線ができやすいタイプの人にありがちな傾向です。これらのどれかに当てはまった人は要注意。では、なぜこれらの傾向がほうれい線をできやすくするのか、土屋先生に話を伺います。
ほうれい線ができやすい習慣とその理由
1.運動不足は血行不良を引き起こす
ほうれい線は「頬がたるむことで、どんどん深くなっていく」と土屋先生は言います。
「このたるみを引き起こす原因のひとつが、顔のむくみ。首や肩の血行が滞ると、顔にも老廃物が溜まり、むくみができて、その重さで皮膚がたるんでしまうのです」
運動をする習慣があまりないと、全身の血行が滞りがちに。買い物に行くときはなるべく歩くなど、日常的に体を動かすことを意識しましょう。体全体の血行を促すと効率よく首や肩の血行も改善できますよ。
2.シャワーだけは老けのもと
毎日シャワーだけで済ましている人も、運動不足の人と同様に血行不良を起こしやすいです。土屋先生は、このような人も全身の血行促進が大切だと話します。
「毎日お風呂に浸かることをおすすめします。ゆっくりお湯に浸かって、全身の血行を促進させましょう」
3.猫背も血行を悪くする
長時間のデスクワークをしていると、つい前屈みになり、無意識のうちに姿勢を悪くする人も多いのではないでしょうか。
「首の骨は本来、緩やかなカーブを描きますが、猫背の人はまっすぐな状態に。そのため首周りの筋肉が固くなり、血行が悪くなります」
猫背の人は、全身の血行が滞り、運動不足の人やシャワーだけの人と同様にむくみができやすくなります。日常的に運動を心がけたり、お風呂に浸かったりして、血行をスムーズにしましょう。
4.肉や魚を食べないと、たんぱく質不足に
ほうれい線を深くするたるみは、食生活にも関係していると土屋先生は言います。
「肌のハリや弾力は、たんぱく質である『コラーゲン』『エラスチン』が支えています。これらが不足すると、皮膚が緩んで、たるみが生まれるのです。たるませないためにも、たんぱく質を多く含む肉や魚をしっかり食べましょう」
5.野菜や果物のビタミンが肌のハリを守る
ほうれい線予防では、野菜や果物もバランスよく摂ることもポイントのようです。
「抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eが含まれた野菜や果物はオススメ。皮脂によって活性酸素が生まれると、肌を傷つけて『コラーゲン』や『エラスチン』の働きを阻害します。この活性酸素を撃退するために、抗酸化作用のあるビタミンを摂るといいのです」
土屋先生に聞いたおすすめの野菜や果物は、こちらです。
【ビタミンA・C・Eを豊富に含む野菜や果物】
ビタミンA:にんじん、ほうれんそう
ビタミンC:緑黄色野菜や果物全般
ビタミンE:ナッツ類、かぼちゃ
仕事に家事や育児で、自分のことは後回しになってしまいがちですよね。でも、これまでの習慣が、無意識のうちにほうれい線を濃くしているかもしれません。でも、ほんの少し生活を改善するだけで、いつまでも年齢を感じさせない素敵な笑顔でいられるでしょう。
PROFILE 土屋佳奈さん
取材・文/廣瀬茉理 イラスト/かりた