スマホやパソコンが主流となり、手書きで文章を書くことは少なくなりました。それでも、仕事の書類や園の書類、子どものお名前書きなど、意外と手書きの機会もあるもの。そんなときに、もう少し上手に字が書けたら…と悩んだ経験がある人も多いのでは?
そこで、フォロワー4.2万人の美文字インスタグラマー・りささんに整った字を書くコツを教えていただきました。
りささんは、インスタグラムやツイッターで手書き文字の楽しさを発信されていて、そのやわらかい文字が「美しい」「素敵」と大人気なんです。
今回は、ひらがなと漢字について教えていただいたコツのうち、ひらがなのコツについてお届けします。文字を書くときに、意識して取り入れると、美文字に少しずつ近づきますよ!
ひらがなのコツ・その1 筆圧を意識して柔らかくしなやかに
「ひらがなは、筆文字のような柔らかく動きのある感じを心がけると大人っぽい文字に近づきます」と、りささん。
例えば、「よ」や「ち」の縦線もただ縦に真っ直ぐ書くのではなく、少しカーブさせるとかたさが取れ柔らかい字に。
「柔らかさを出すために、一番大事なのは筆圧です。上の"も"のように書き始めや書き終わりは力を抜いて、ふわっと書く部分を作りましょう。書き始めと書き終わりを線を細くするようにすると筆文字のように見えます。ただ、”に"の左側のように、はねるところなどは力を入れてメリハリをつけてみましょう」
始めから終わりまで筆圧を一定にしたまま書くと、幼く可愛らしい印象になり、いわゆるギャル文字のような雰囲気になるのだそう。字が子どもっぽいと悩んでいる人は、まず自分の筆圧を見直してみるとぐっと見違えますよ。
ひらがなのコツ・その2 ペンのスピードに緩急をつける
そして、筆圧と同様に大切なのが文字を書くスピードです。
「筆圧と同じように、ペンを運ぶスピードにも緩急をつけてみましょう。筆圧が弱いところは速く、強いところはゆっくりペンを動かします。”はらい”や”はね”、曲がるところや、円になるところは少しスピードを落として筆圧を強め、そのあと進む方向を決めてさっと動かすようにすると筆文字のようなしなやかな字に近づきます」
普段、スピードなんて気にしたこともないという人も多いかもしれません。一字ずつ速度をを上手にコントロールできるようになることが、美文字への第一歩なんですね。
ひらがなのコツ・その3 縦方向にすっと流すように書く
曲線が多いひらがなですが、大人っぽく見せるためには丸みを持たせずに、縦にすらっとした形をイメージして書くといいのだそう。文字の最後は筆圧を弱めながら、すっと下に流すことを意識しましょう。
「ひらがなは、昔、筆の縦書きで続ける様に書いていたなごりなのか、下に続くようなイメージというか、縦方向を意識して書くときれいに見えるんですよ」とりささん。
例の下にある”そ””け””ろ"のように、丸みがある部分を丸く書いてしまうとどうしても子どもっぽい感じになってしまいます。
「丸めると最後の線の方向がバラバラに散らかった感じになってしまい統一感もありません。可愛らしさも出てしまいます。下に続けるようなイメージで書いていくとすっきりと見えるようになりますよ」
やわらかさが重要なひらがなですが、りささんによると文字にクセが出る人は指先に力が入りすぎてしまっているそうです。
「私もそうなんですけど、集中すると前のめりになってペンもキツく握ってしまいます。ペンをスッと動かせるよう、力を抜いて軽く持つことを意識してみるといいですよ。一生懸命書こうとしなくていいんです。気楽に取り組んでみてくださいね」
次回は、漢字の書き方のコツをお届けします!
PROFILE りささん
手書き文字の楽しさを伝える大人気インスタグラマー。著書に「ふだんの美文字」「ふだんの美文字練習ノート」(いずれもKADOKAWA)。Instagram @risagraphy
取材・文/阿部祐子