化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えたり、ジェンダーレスを意識するなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。
そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。
今回取り上げるのは、ご存じ「ニールズヤード」。30年以上前に日本に初上陸して以来、オーガニックコスメ市場を牽引してきた先駆者として、今も大切にしていることは…?
世界に先駆けてオーガニックの概念を広めた立役者
オーガニックコスメ先進国のイギリス・ロンドンのナチュラルアポセカリー(自然療法薬局)からスタートしたニールズヤード。1985年に日本に初上陸して、今年で36年目を迎えます。まだ「オーガニック」という概念すらなかった時代からオーガニックの原料にこだわり、サスティナブルなブランドとしてその姿勢を貫いてきました。今では、オーガニックコスメを浸透させた先駆けブランドとして、多くの人に愛されています。

「ブラウンライスカフェ」は、当時からヴィーガンフードやオーガニックフードを提供するスポットとして注目を集めました。現在もオーガニック発信地として健康志向の高い人々が集まり、支持され続けています。
世界最高峰の成分入り美容液がアワードを受賞!
スキンケアからライフスタイルをサポートするツール類まで、幅広い商品をラインナップするニールズヤード。なかでも人気を誇るのが、スキンケアからフレグランスまでが揃う「フランキンセンスシリーズ」です。フランキンセンスは、過酷な環境に耐えるために樹液を出してダメージを修復することで知られる樹木。ニールズヤードはこの修復力に着目し、世界で初めてフランキンセンスの成分を化粧品に配合しました。

さらにその2年後には、フランキンセンスの主成分であるボスウェル酸の抗炎症作用やエラスチン分解抑制作用などの効果を確認するなど、長年フランキンセンスにこだわって研究を続けてきました。
その「フランキンセンスシリーズ」から今年9月、ブランド最高峰のリフトセラムが満を持して新発売。


希少なフランキンセンスを守る取り組みも
創業当時からこだわり続けていたフランキンセンス。これまではケニア産、ソマリア産を取り扱っていましたが、2018年からは最高峰と言われるオマーン産も取り扱うようになりました。オマーン産の貴重なフランキンセンスの樹脂は、伝統的な道具を用いて巧みに収穫されたのち、人の手によって判別され、エッセンシャルオイルを抽出するために蒸留されて副産物は取り除かれます。
この副産物を共同研究して開発されたのが、新発売のセラムに配合されている「フランキンセンス アクティブ フィト コンプレックス」なのです。

この保護保全活動で、フランキンセンスの乱獲やラクダの放牧などの危機から守り、毎年2000〜3000本の苗を栽培すると共に、地元の環境教育も推進。 現地の技術者と連携を取りながら、希少なフランキンセンスを守り続けています。
文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋