アパートやマンションなどを借りて暮らしている場合、契約期間が終了したり新しい家を購入したりすると、契約を解除して引っ越しをしなければなりません。このとき、大家から契約当初に差し入れた「敷金」を返してもらえなくて、トラブルになる可能性があるので、注意が必要です。今回は、賃貸アパートやマンションなどで、敷金を返してもらえない場合の対処方法を元弁護士がご紹介します。

 

1.敷金とは


一般的に、賃貸アパートやマンション、賃貸用の戸建てなどを借りるときには「敷金」を差し入れることが多いです。そもそも敷金とはどのようなお金なのか、ご存知でしょうか?

 

敷金とは、賃借人の債務を担保するためのお金です。 わかりやすく言うと、賃貸借契約の最中に賃借人が賃料を支払わなくなった場合や、賃貸人が借りている住居に大きな損害を与えたりした場合に備えて、賃貸人があらかじめお金を預かっておくのです。賃借人が賃料不払いを起こした場合には、敷金を不払いの賃料に充当することができます。

 

このように、敷金は、将来の不払いや損害発生に備えて賃貸人が「預かる」お金ですから、問題が発生せずに賃貸借契約が無事に終了するのであれば、基本的に全額返してもらえるはずのものです。