新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった昨年、
社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えたり、ジェンダーレスを意識するなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。

 

そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。

 

今回取り上げるのは、北海道発の自然派ブランド「ナチュラルアイランド」。自然と共生することを第一に考えたものづくりと、効果がスゴいと注目されるオイルの中身を徹底解剖します!

北海道の自然と共生したものづくりで地域の活性化にも貢献

ナチュラルアイランドのものづくりは2008年、大自然に抱かれた北海道の地から始まりました。最初に注目したのは、急斜面に自生していたというセントジョーンズワート。これをできるだけ自然に近い形で栽培し、オリジナルオイルを作るという、いちからの取り組みです。

 

北海道の環境を汚さず、生態系を乱さないというポリシーのもと、どうやって工場を作るか…。課題と向き合いながらの取り組みを、行政とともに何年もかけて行ってきました。

ナチュの森全景

そして、廃校になった中学校を5年かけて「ナチュの森」に再生し、自社工場を建設、2018年にはガーデンをオープン。今では地域の人の憩いの場にもなっています。

 

ナチュラルアイランドは、北海道各地の生産者とともに、北海道の豊かな自然で育った白樺の樹液やラベンダー、和ハッカなど、素材を厳選し、徹底的な衛生管理のもと、すべて自社工場で商品開発と製造を行っています。

 

「ナチュの森」で有機栽培しているカレンデュラも、荒地だった土地を土から丁寧に改良し、スタッフが丹精込めて育てたもの。これは、ヨーロッパでは常備薬のひとつとされる大変効果の高いハーブ。このオレンジ色に有効成分カロチノイドが詰まっています。

カレンデュラ手摘み作業

有機栽培は非常に虫が集まりやすく、その対策には苦慮しているそうですが、あの手この手で対策を講じて、大切な素材を守っています。しかも、機械は使わずハサミでひとつひとつで収穫しているというから驚きです。

 

苦労の末に収穫した素材は自然乾燥をして、真空パックで保存。大自然と闘いながら、また自然を生かしながら、自然と共生するものづくりこそがナチュラルアイランドのポリシーであり、強みなのです。 

日本で唯一!カレンデュラ発酵エキスを配合

自社農園で有機栽培しているカレンデュラを使ったスキンケア製品が今回ご紹介するローションとオイル。

 

カレンデュラには、抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用に加え、肌荒れ改善効果や皮膚や粘膜再生など、マルチな効果が期待できます。

 

肌トラブルでいうと、ニキビを抑えたり、日焼け後のやけど状態の肌を鎮静したり、シミや開いた毛穴にも有効です。

カレンデュラ手摘み風景

ローションには、このカレンデュラを1枚1枚手摘みし、花びらを乳酸菌によって発酵させたエキスを配合。発酵することによって、より抗酸化作用が高く、美肌効果もアップすると言われています。キメが乱れていた揺らぎ肌を立て直し、潤いのある肌に導きます。

 

この花びらを発酵させたエキスを使っているのはナチュラルアイランドのみで、現在特許出願中なのだそう。

 

このローションの前にブースターとして使うのにおすすめなのが、同じくカレンデュラの手づみオイル。カレンデュラの花びらだけを高純度なオリーブオイルで抽出したインフューズドオイルです。

ナチュラルアイランド カレンデュラ手づみオイル・手づみローション
(右)カレンデュラ手づみローション 153ml 2970円、(左)カレンデュラ手づみオイル 32ml 2970円

とにかく“濃い”カレンデュラにこだわった一品で、カレンデュラの花びらだけを自然乾燥して水分を抜くことで、鮮やかなオレンジ色を生かすことに成功したそう。オレイン酸の豊富な肌なじみ抜群のオイルに仕上がっています。

ナチュラルアイランド カレンデュラ手摘みオイル

このオイルを洗顔後すぐに使うことで、次に使うローションの浸透をさらに高め、内側からもっちり、艶のある肌に整えてくれます。特に乾燥しやすい時などはこのダブル使いがおすすめです!  

素材から製造、管理を大自然で行うからこそのSDGs

ナチュラルアイランドの製品は、先述した「ナチュの森」の工場で作られています。

 

それだけでなく、ガーデンやレストラン、カフェ、スパ、ヨガスタジオ、直営店などが集まった複合施設となっていて、すべてSDGsを配慮した内容にこだわっているそう。

ナチュの森 節電の様子

また、工場で発生する熱を利用した床暖房を採用したり、工場周辺に存在する野生動物に配慮して夜になると消灯し、排水処理を徹底するなどの工夫も。豊かな自然の中にある工場だからこそ、自然を汚さないよう、共生できるよう環境に最大限配慮したものづくりを行っています。

 

社員による地域の定期的な清掃なども行っているそうで、所属している社員の意識の高さにも脱帽!

 

SDGsやサスティナブルを意識した行動は、ナチュラルアイランドにとって特別なことではなく、もはや日常となっているのかもしれません。

文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋