新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった昨年、
社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えたり、ジェンダーレスを意識するなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。

 

そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。

 

今回取り上げるのは、老舗ブランド「ちふれ」。40年以上前からエコやサスティナブルの観点を意識した商品づくりを展開してきた「ちふれ」が今、大事にしていることとは?

肌に本当に必要なものだけ。「ちふれ」が唯一無二の理由

私が子どもの頃から身近にあったブランドといえば「ちふれ」。スキンケアアイテムは無香料・無着色で、とてもシンプルな処方とパッケージビジュアルが最大の特徴です。

 

これは、消費者へ適正な価格で届けたいという思いから、ずっと貫いているブランドのフィソロフィー。それゆえ日用品のように生活に溶け込み、今も多くの愛用者に使い続けられています。

 

高価格帯の化粧品の場合、美容成分が豊富に配合されている点がその価格設定の理由のひとつ。ところが時に、この“有効成分”自体が肌に刺激を与えてしまう場合もあります。

 

それに対して「ちふれ」は、得られる効果を絞り、肌にとって必要最低限の成分のみを配合。手に取りやすい価格なのに、その中身と品質にはとてもこだわりを持って作っているのです。全成分を開示し、製造年月もパッケージに表示しているところも信頼できますよね。

確かな効果と手に取りやすい価格を両立させた先駆けブランド

メイクアイテムはもちろん、ローションや乳液などを含め、スキンケア製品のラインナップも豊富な「ちふれ」。今回は、特に人気の洗顔料とオールインワンジェルをピックアップします。

ちふれ 洗顔料とオールインワンジェル
ちふれ 泡洗顔 180ml 605円・詰替用 495円、ちふれ うるおい ジェル 108g 880円・詰替用 770円(すべて税込)

もっちりとした泡が特徴的な泡洗顔は、しっとり感のある洗い上がりが人気の1品。しっかりと肌の汚れは落とすのに、潤いを奪わない優しい使用感です。泡に弾力があるので、摩擦なく洗えるのも魅力。忙しい朝などに押すだけで泡が出てくるのは嬉しいですよね!

ちふれ 洗顔料

無香料、無着色、ノンアルコール、そして詰め替え用あり。手も洗えるので、今のコロナ禍においてはとってもありがたい1本です。

 

もう1つは、1品で化粧水・美容液・乳液・クリーム・パック・化粧下地の6つの機能を集約したオールインワンジェル。プルプルのジェルが肌にスッとなじんで、内側からもっちり、そしてしっとり。

 

保湿成分ヒアルロン酸やオウゴン根エキスなど4つの保湿成分が角層に潤いを与え、乾燥から肌を守ります。無香料・無着色・ノンアルコール。アルコールに弱い人も安心して使えます。リピーターが多いのも納得の1品です。 

40年以上前からサスティナブル!化粧品の詰め替え用を1974年に発売

サスティナブルという言葉があちこちで聞かれるようになった昨今ですが、「ちふれ」ではなんと、1974年に詰め替えタイプを発売していました。まさに、サスティナブルやエコの先駆けとなったのです。

当時発売された、クレンジングクリームの詰め替え用商品。

 

それ以降も、「ちふれ」製品の1つである「ノンフロンヘアスプレー」がエコマーク商品第1号に認定されるなど、環境への配慮は昔からずっと続けていること。サスティナブルな活動を地道に継続しています。

ちふれ エコ認定商品
1989年にエコ認定された3商品(※現在は生産終了)。

 

現在もバイオポリエチレンのチューブ・ボトルを採用するなど、エコのパイオニアとしての活動に余念がありません。バイオポリエチレンとは、サトウキビの搾り汁から砂糖を取り出した後の残液を発酵させて作られる原料のこと。パッケージの生産によって生態系を破壊しないというメリットがあります。

 

ビジュアルや処方をシンプルに。またサスティナブルを意識することで、リーズナブルな適正価格で商品が提供される…これほど、消費者にとって嬉しいことはありません。それこそが「ちふれ」が支持され続ける理由なのです。

取材・文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋