「気づいたら、1日があっという間に終わってしまう…」

 

昨年から続くコロナ禍の外出自粛やテレワークにより、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。

 

通勤時間がなくなり、家にいる時間は増えているはずなのに…最近、自分だけの時間が持てなくなったという声も聞こえてきます。

 

今回は、「自分時間」の実態を探るべく、読者モニター94人にアンケートを実施!結果から見えてきた、リアルな数字と切実な声とは── 。

6割強が「自分の時間は増えていない」という訳

家の滞在時間は確実に増えているはずですが、私たちの「自分時間」はどうでしょうか。アンケートの回答は以下のような結果になりました。

 

通勤時間がなくなり、週末も家族で出かける頻度は減っているにもかかわらず、「自分時間が増えた」と回答した方はわずか37.23%。残りの62.77%の方が、「自分時間が減った」「変わらない」と回答しています。

「自分時間が減った」と回答した方の理由を聞いてみると…

「意外と通勤時間は自分の時間として使っていたので、減ってしまった気がする」(30代1児のママ)

「家族が家にいることが多くなり、部屋もよごれるため定期的に掃除したり、朝昼晩のご飯を作らなければならないので、家事をする時間が増え、自分の時間が減った」(40代2児のママ)

「主人がほとんど在宅のため、必然的に家事をしなければならず自分時間を作ることが難しくなった」(40代2児のママ)

通勤時間がなくなったことへの意外な弊害や、家族の在宅が増えたことから食事作りや掃除などの、新たな家事が増えているという声が聞こえてきました。

 

加えて、「自分時間が変わらない」という回答のなかには、

「もともと時間がない」(30代2児のママ)

「家にいてもいなくても、子どもの相手をする時間は変わらない」(30代2児のママ)

という声もあり、コロナ前から時間に追われているママたちの切迫感が伝わってきます。

 

1日の「自分時間」は1時間未満が4割も…

自分時間は、実際にどのくらい確保できているのでしょうか。

 

 

1番多かった回答は「1時間以上〜2時間未満」の37.23%。次いで、「30分以上〜1時間未満」という回答が26.6%という結果になりました。

 

しかし、「30分未満」という回答が10.64%、「なし」という回答が2.13%あることから、自分時間が1時間未満という切り口で見ると、全体の約4割近くを占めていることがわかります。

1時間といえば、ドラマ1話分を見たらそれでほぼ時間終了ですよね。

 

まとまった時間が取りづらい場合は、SNSをチェックしたり、ちょっとお茶を飲んだりしていたら、「気づけば今日が終わっている…」というのが実情ではないでしょうか。

5割近くが「現状の自分時間に満足していない」

そんな自分時間に対する満足度について聞いてみると、54.26%の方が「いいえ(満足していない)」と回答。

 

仕事に加え、家事や育児の負担が増える反面、疲れやストレスを解消できていない状況も伺えます。

「食事の準備が圧倒的に増えた。仕事しながら洗濯したり片付けしたり、学童行かないから子どもはいるしで、とにかく家事と育児ばかりしてる感がある」(40代2児のママ)

「外食に気軽に行きにくくなってしまった。食事を作る回数、量が増えた」(40代1児のママ)

「家で過ごす時間が必然的に長くなり、夫の『家にいるんだから』という意識によって夫婦の家事分担が曖昧になってきている」(30代2児のママ)

一方、自分時間に満足しているという方からは、

「夫がテレワークで家事育児に協力してくれるようになり自分時間が増えた」(30代2児のママ)

「通勤時間がなくなり時間に余裕を持てるようになった」(30代2児のママ)

という声が。在宅勤務がプラスに作用している家庭もあるようです。

どんな「自分時間」を過ごしているの!?

コロナ禍のライフスタイルの変化が「自分時間」に大きく影響するなか、ひとりの時間の過ごし方はどうでしょう。回答結果は以下のようになりました。

 

最近は、スマホでも気軽に本が購入・閲覧できるだけでなく、動画視聴などのサブスクリプションサービスや、テレビの録画機能も進化。すきま時間を使って、みたい場所からすぐに楽しめるようなものが、ストレス解消になっているのかもしれません。

ただ、貴重な自分時間を休息にあてているという声が多いことを考えると、その背景には「疲れを感じるときは休まざるを得ない」という家事育児の負担増の問題点が浮き彫りになっているようにも受け取れます。

 

自分時間に対する課題については、「自分時間を作る余裕がない」というのはもちろん、「ひとりの時間を楽しむスペースがない」「楽しむ機材がない」という住環境や設備周りに対する悩みも聞こえてきました。

心身ともにリラックスできる自分時間を見つめ直そう

今回のアンケート結果では、在宅時間が増えているにもかかわらず、意外と自分時間が持てていないという方が多くいることがわかりました。

 

仕事に家事に子育て…慌ただしい毎日を健やかに過ごすためにも、ほっと一息つけるようなひとりの時間は大切にしたいもの。

 

この機会に“自分のための時間”について、改めて考えたり、見つめ直したりするきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • アンケートに回答した方の約6割は「自分の時間」が増えていない状況
  • 自分時間の増減には、テレワークよるライフスタイルの変化が関係している
  • 1日のうち、ひとりで過ごす時間は「1時間未満」という回答が約4割
  • 心と体がリラックスできる自分時間の確保は必要不可欠

アンケート調査概要

期間:2021年6月4日〜6月13日 人数:94人(CHANTOモニター読者)

文/鈴木有子 イラスト/岸べぇ