我が子におこづかいをあげるのはいいことなのか、よくないことなのか?各家庭によって、その判断はマチマチだと思います。6児の父でもある家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、お子さんたちにどうしていたのか?ご自身の経験をもとにアドバイスしてもらいました。
おこづかいでマネーリテラシーが身につく理由
「おこづかい」を渡すことは子どものためになる、と私は考えています。子どもがお金の使い方を学ぶ上で格好の教材になるからです。「欲しいものがあったら、おこづかいの中でやりくりして買う」と、ルールを決めることで、子どもは以下のことを学びます。
- 使えるお金には限りがある
- ムダなものを買うと、本当に必要なものが買えなくなる
この感覚を子どもの頃に身につけておけば、大人になってからもムダづかいをしなくなり、上手にお金をやりくりするようになるでしょう。
横山家でも、小学校3年生になってから高校を卒業するまで、毎月おこづかいを渡すようにしています。いつから渡すかは各家庭の方針にもよりますが、分別がつく年齢と考えると、小学校3~4年生頃からが適切でしょう。
“友だちにおごってばかり”にならないためのルール
ただし、いきなり放任主義にするのはおすすめしません。好きに使ってかまわないようにすると、やはりまだ子どもですから、ムダづかいを繰り返してしまうからです。
放任はトラブルの元にもなります。たとえば、調子に乗って友だちにおごっていると、たかられるようになることがあります。それがエスカレートした結果、こっそり家のお金を持ち出す…可能性はゼロではありません。純粋でかわいい我が子にも、お金を持たせると想像以上のことが起こりかねないのが、お金の恐ろしさです。
オススメは子どもに「おこづかい帳」をつけさせることです。簡単な収支をつけるだけでも、何を買ったのかが一目瞭然になります。あとは月1回程度、おこづかい帳を見て、何に使ったのかを子どもと話し合いましょう。そうすれば、子どもは何がムダづかいだったのかを学び、よりお金を大事に使うようになります。
親はおこづかい帳の数字と財布に残ったお金が合っているかを確認して、お金を管理する重要性も伝えていきましょう。こうしたことを子どもの頃からしていれば、家計管理の基礎が身につくわけです。
最近では、交通系ICカードをチャージして、子どもに持たせる親もいるかと思います。便利ですが、横山家では中学生までは電車の乗り降り限定で使い、日常の買い物はしないルールに。交通系ICカードに限らず、キャッシュレスの仕組みはお金の動きが目に見えず、使っている実感が湧きにくいからです。お金の使い方を教育することを考えたら、子どものうちは現金を使うほうが良いでしょう。
監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ
参考/「CHANTO WEB 子どもの金銭感覚は「おこづかい」のあげ方で決まる!?」https://chanto.jp.net/money/management/185757/