保険なんて「生命保険」と「医療保険」に入っておけば十分でしょ、と考えていませんか?「それ以外にも入っておいたほうがいい保険がある」と、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは言います。その保険とはいったい何でしょうか?

ケガやちょっとしたトラブルに対応する「個人賠償責任保険」

小さな子どもがいるご家庭は、「個人賠償責任保険」に入ることをオススメします。個人賠償責任保険とは、相手をケガさせた、あるいは何かを壊してしまった時に保険金がおりる保険です。たとえば、以下のようなケースで重宝します。

 

  • 自転車に乗っている際、お年寄りにぶつかって骨折させてしまった
  • 友達の家で大事な家財道具を壊してしまった
  • 公園でボール遊びをしていたら、他人の家のガラスを割ってしまった

 

個人賠償責任保険は単独でもありますが、火災保険や自動車保険、クレジットカードの特約でついていることもあります。また、自転車事故だけに特化した自転車保険もあります。東京や大阪、埼玉など、自転車保険に入ることが義務付けられている都道府県もあります。

 

個人賠償責任保険や自転車保険の多くは家族全員に適用されます。保険料はリーズナブルで、月数百円程度のものが主流。子どもは親が想定していないトラブルを起こす可能性も。まさかの時のために、入っておいて損はないでしょう。

加入する時に気をつけたい2つの内容

気をつけたいのは同じ「個人賠償責任保険」でも、補償内容が加入するものによって異なることです。

 

非常に重要なのは、「示談交渉をしてくれるサービス」があるかどうか。万が一、何かが起きた時に、補償額を自ら交渉するのは非常に難しいですよね。示談交渉のサービスがついていれば、無料で保険会社が相手と交渉してくれます。保険の中には、このサービスがついていないことがあるので、注意が必要です。

 

また、「補償額」も保険によってマチマチです。個人賠償責任保険の補償金は1億円以上あることが望ましい、と言われています。レアケースですが、ケガさせた相手が高収入だった場合、1億円以上の賠償金の支払いを迫られることがあるからです。

 

ところが、保険によっては、補償額が10003000万円程度のものがあります。足りなければ、大きな損害を被ることになりかねません。

事故を起こしても“自分のケガ”には保険がおりない?

また、個人賠償責任保険は「自分たちにも保険金がおりる」と、勘違いしている人が多いので、この点にも注意が必要です。

 

たとえば、自転車で事故をおこした時、子どももケガをしたから保険がおりるかというと、必ずしもそうではありません。個人賠償責任保険は基本的に「相手に賠償するための保険」です。

 

ただ最近は、自分たちのケガにも保険金がおりる「ケガプラン」をつけられるタイプも出てきているので、必要な場合はそちらのタイプを選ぶことをオススメします。

 

保険料が安いタイプや、火災保険やクレジットカードに自動でついているタイプは、補償が充実していないものが多いので、補償内容をよく確かめてから加入しましょう。

監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ
参考/「JCBトッピング保険」https://www.jcb.co.jp/service/safe-secure/insurance/topping-insurance/index.html
「イオンのほけん相談 保険マーケット」https://www.hokenmarket.net/campaign01/limited/index.html
「ドコモ保険ナビ」https://hoken.smt.docomo.ne.jp/cycle-insurance/
「AIG損保 お子さまのための総合保障制度」https://riskfinder.jp/school/