陰キャ嫁_大量のドレッシング

三世代同居家庭で、食材購入の担当を任されている私。以前は義父母の期待に応えたいがために過度な買い溜め体質に陥っていましたが、とあることがきっかけで買い溜め体質からは脱却することができました。

 

今回は、過剰在庫を抱えるのをやめた結果発生した新たな問題について、前後編で綴ります。

各自が買い物をする、はいいけれど

食材も調味料も日用品も、いつもどんな時も完全に常備されているのが当たり前、無いときには私(買い物担当)にひとこと言えばすぐに補充される、と思っていた我が家の義父母。

 

「ポテトサラダを作ろうと思ったらキュウリと玉ねぎとマヨネーズがなかったの!」


「子どもたちにお菓子作ってあげようとしたのに生クリームがないよ?」

 

そんなふうに、どんどん肥大する在庫とその管理コストにうんざりした私、ある日ついにキレました。

 

「いつでも食材や調味料が家に常備されていると思わないでください!使ったらなくなるのは当たり前です!私もなるべく気を付けますが限界はあります!自分が料理する前に必要なものは在庫を確認して、たりなければ自分で買いに行ってください!」

 

在庫があるのが当たり前、と言わんばかりの義父母の言動があるたびにこうやって半ギレを繰り返すことにより、ようやく「必要な食材や調味料が足りない場合は自分で買ってくる」という習慣が根付いた義父母。

 

予算が多少高くつくことになっても、在庫管理のストレスから解放されるなら安いものだと、最初の頃、私はとても喜んでいました。

 

常に食材の在庫を気にしなくてもいい。冷蔵庫が空っぽになってから買い物に行ける。マヨネーズがない、ソースがない、といちいちクレームを入れられずに済む

 

そんな解放感にひたりながら、どうしてもっと早くこうしなかったのだろうか、とまで思っていました。 

ドレッシングが6本ある理由

しかしこの新システムが、じわじわと我が家の台所を蝕んでいくことに、私はまもなく気づかされました。

 

最初におかしいな、と思ったのは、冷蔵庫の中の、異常なドレッシングの瓶の数でした。

 

以前、私が買い物をすべて管理していた時は、家族の好みに合わせて23種類を選べるように揃えていましたが、いつの間にか、私の買った覚えのない様々な種類のドレッシングが、冷蔵庫の中に5本も6本も開封されていたのです。

 

原因はすぐに判明しました。以前よりもマメに買い物に行くようになった義父母が、自分の好みの新製品を買ってきては、すでに冷蔵庫にあるドレッシングを食べきる前に新しいものを開封してしまうので、どんどん溜まっていってしまうのです。

 

レストランのサラダバー並みの選択肢のある家、というと一見素敵ですが、冷蔵庫のスペースには限りがあるのです。

大量の重複調味料嫁は台所で熱く叫ぶ!

さらにこの事態は悪化の一途をたどります。ドレッシングのスペースだけでなく、いつの間にかずいぶん冷蔵庫が狭くなっている気がするなと思い掃除をしてみると、出てくるわ出てくるわ、開封済みの同じ調味料や食材が大量に。

 

ケチャップが2本、マヨネーズが3本、チューブのわさびやからしがそれぞれ23本。豆板醤の瓶に至っては4個!

 

義父母を集めて急きょ、家庭内会議を開催すると、なぜこんなことになってしまったのか、原因が徐々に明らかになりました。

 

「マヨネーズ探したんだけど見当たらなかったから、使いきったと思って買い置きを開けちゃった」

 

「豆板醤がないと困るから、念のため買ってきた(そして在庫を探さずに新しいものを開封してしまった)」

 

家族の人数が多いため、我が家の冷蔵庫は市販されている家庭用冷蔵庫の中でもかなり大きい部類の、奥行きの広いタイプのものです。

 

たまにしか使わない調味料などは奥の方に行きがちで、なかなか探しにくい、というのはわかるんです。わかるんですが

 

もうちょっと頑張って探そう??そして私にも在庫の有無を一言聞いて??

 

あとマヨネーズは一番見やすいドアポケットに2本入ってたからね??

 

すぐに諦めないで!!!もっとちゃんと探して!!!

 

日頃スポ根とは無縁の性格のはずの私ですが、冷蔵庫の重複調味料を見つけるたびに、つい熱く叫んでしまうのです

 

次回、さらに混沌を極める二世帯同居の台所。はたして解決策はあるのか

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ