派手にお金を使う以外で、お金が貯まらないのは…
お金が貯まらない夫婦の「週末の過ごし方」というと、「派手にお金を使っている」イメージがあるかもしれません。
私のもとに相談に訪れるお客様の中にも、そういうご夫婦はいます。とくに高収入の方は、週末になると「たまったストレスを一気に発散させよう」とドカンと使う傾向があります。しかし、そういう人は少数派です。
お金が貯まらない夫婦によく見られる特徴は、「週末の支出にメリハリがないこと」です。ひとつずつの支出は少額なのに、あれもこれもとお金を使っている様子。
たとえば、繁華街やショッピングモールに出かけたら、必ず外食をする。ランチやディナーだけでなく、アイスやジュースなど、ちょっとしたものを買ってフードコートなどでひと休み。買い物をすれば、洋服でも家電でも日用品でも、「どうせ買うなら」と少し高めの商品を買ってしまう。
子どもがいる家庭なら、5000円以上するようなテーマパークには行かないけれど、「情操教育になるから」と動物園や博物館、海や山など、週末の度に連れて行く。元手があまりかからなそうなキャンプをするにしても、キャンプ道具や遊び道具を買い揃えて楽しむ。
自宅で過ごしていても、サブスクリプションのネット動画サービスにいくつも入るだけでなく、「1本単位」で支払いが発生する新作も気兼ねなく見る。スマホの有料アプリもちょこちょこ購入。ちょっと高いクラフトビールやおつまみもグレードアップ。「ラクだから」と出前サービスもつい頼んでしまう…。
このように、小さな支出を積み重ねていれば、豪遊していなくてもお金が減っていきます。読者の皆さんに心当たりはありませんか?
まして今は、「コロナ禍で楽しめることが少ない。せめてこれぐらいは…」といって、財布の紐が緩んでいる人が少なくありません。だからますます出費にメリハリがなくなっているというわけです。
「趣味はお金を使う」とざっくり決めればOK
もっとも、週末を楽しみながらお金も貯まっている夫婦は、ものすごく支出に気を配ってコントロールしている、という感じではありません。「お金を使うルール」をざっくりと決めて、そのルールに沿って支出をしているのが、お金が貯まる夫婦の特徴です。
そのルールのひとつが、「お金の使い道を絞ること」です。レジャーも外食もサブスクも…とあれもこれも使っていたら、トータルでは大きな出費になります。「趣味には引き続きお金を使いたい」「洋服にお金をかけるのはやめよう」とお金を使う優先順位を決めて、支出にメリハリをつけましょう。
お金の使いすぎを防ぐもう一つのルールは、「遊ぶ予算を決めること」です。「月6万円の範囲で自由に使って良い」というように、先に予算を決めておくと、際限なくお金を使うようなことがなくなるでしょう。
監修/横山光昭 取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ