![_0426_0168](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/4/e/780w/img_4e6b8031c7c119ff3782f2ca4b007f73536222.jpg)
創業53年変わらぬ「丈夫さ」と「シンプルさ」
土屋鞄のランドセルが人気の秘密がわかった
いつのころからか、ランドセルの争奪戦、いわゆる“ラン活”ブームが加熱している。私たちからしたら、保活が終わったと思ったら入学前からまた活動!?と、ちょっと憂鬱な反面、子どもが6年間背負うランドセルには、それなりの思いを持って選びたいという気持ちもあるわけで……。働くママにとって“ラン活”っていったい何なのか。その答えが知りたくて、まずは東京都足立区にある土屋鞄製造所に行ってきました。
![_0426_0219](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/780w/img_4d25d248c2291203f6b789b55bd730dd274312.jpg)
子どもには元気に使って欲しいからランドセルは「丈夫」でなきゃいけない
──“ラン活”未経験の私でも、ランドセルメーカーといえば土屋鞄を思い浮かべるくらい人気のブランドだと思いますが、そもそも土屋鞄がこれだけ支持される理由はどこにあるんでしょうか?
三角さん:
6年間安心して使っていただける「丈夫さ」と、飽きのこないデザインの「シンプルさ」。これは創業した1965年からずっと変わらずに大切にしてきたことです。お友だちから聞いて、ご兄弟が使っていてよかったから、とお店に来てくださるお客様も多いです。 ただし、「丈夫さ」とひと言でいっても、なかなか伝わりにくいものですよね。そこで西新井本店と軽井澤工房店では、職人がランドセルを作っているところを実際に見られる、“工房見学スペース”を設けています。どんな人が、どんなふうに想いをこめて作っているのか、その工程を見ていただくことで安心してランドセルをお選びいただきたいと思っています。実際に工房を見学されたご家族同士の「こんなにていねいに作っているんだから、大切に使わなきゃね」といった会話を耳にしたりすることがあります。
![_0426_0175](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/780w/img_54323a04942e1cd1aff59bab87403bfb396871.jpg)
![_0426_0037](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/3/c/780w/img_3c3a2ff65bc6e5f007ba0146764c2ac2542438.jpg)
三角さん:
でも、お子様にはあまり壊れることを気にしすぎず、元気いっぱいにランドセルを使ってほしいと思っています。それを含めたうえでの丈夫さでもあります。また、万が一不具合が生じた場合は、職人が修理をさせていただく6年間修理保証でしっかりサポートさせていただきます。基本的には無償で修理いたします。破損の度合いによっては有償の場合もありますが、一度状態を確認さていただき、ご納得いただいたうえで修理をするという流れになります。修理のあいだは代用のランドセルをお渡しするので、まずはお客様サポート係までお気軽にご相談ください。
──確かに、ランドセルって昔より価格も上がっていて、決して安いものではなくなっています。でも親としては、子どもらしく元気に使ってほしいという思いもありますよね。そのための、サポートも含めた「丈夫さ」なんですね。
![_0426_0056](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/e/3/780w/img_e3080288f81738d022cfb728bdb2c30c377306.jpg)
U字型のくぼみをつけて空気の通り道を作ることで、熱をこもりにくくする
![_0426_0077](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/9/0/780w/img_90f84527d03e49476911a5db96eb3c78436080.jpg)
大きな力がかかっても、幅広の芯材でしっかり支える
自然に溶け込むような色だから6年後だってきっと好きでいられる
──もうひとつの特徴が「シンプルさ」ですよね。赤と黒の二色しかなかった時代にくらべて、最近のランドセルは色やデザインも豊富になっていますが、そのなかで「シンプルさ」とは?
三角さん:
土屋鞄では、どこか懐かしくてやさしい色みにこだわってデザイナーが仕上げています。未就学児のお子様は、はなやかな色みをお好みのことが多いのですが、6年生になると心も体も成長して、落ち着いた色みを好まれることもあります。 ランドセルの型も基本的にはひとつです。一見するとシンプルですが、フタの内側の色やステッチなど、細部にさり気なくアクセントを効かせたデザインも人気を集めています。
男の子であれば、今でも黒が断トツで人気。黒といっても種類が豊富で、レトロな雰囲気の鋲や金具を使ったアンティークモデルに今は注目が集まっています。
![_0426_0185](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/6/9/780w/img_69240fb09dbbe8a9f61e0e04cd0a6871489490.jpg)
三角さん:
女の子の場合は人気が分かれるのですが、大きく分けると赤系・パープル系・ブラウン系の3種類が人気です。これだけ色が豊富なので、親御さんやお子様だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に、親子3世代でご来店いただき、こだわりの1点を選ぶ時間を楽しんでいただいています。
![nishiarai_3_rgb](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/780w/img_911c1080c39910cc4deeba10898c6c182016957.jpg)
![_0426_0169](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/780w/img_449b94feb94ef23a15d081147b977b72606502.jpg)
イタリアンレザー7万6000円 クラリーノ®・エフ6万9000円
‟ラン活”とは初めての小学校の思い出作り親子で選んだことが、きっと記憶に残る
──ちなみに、それだけ人気のランドセル。GW明けからでも購入は間に合うのでしょうか?
三角さん:
土屋鞄の場合、2019年ご入学向けのランドセル販売は、4月18日から開始しています。タイミングによっては一部商品が受付終了となっている可能性もありますが、店舗およびWEBでも購入が可能です。 お近くの方は、ぜひ一度実店舗までお越しいただければと思います。店舗では教科書と同等の重りも用意しているので、ランドセルに入れて実際の背負い心地が体感できます。人工皮革や牛革、コードバンなど、素材によって重さも多少変わってきますので、実際にランドセルを見て、触って、背負って、色や質感などを確認していただくのがおすすめです。
土屋鞄としては、ランドセルを選んでいただく時間も、ご家族にとっていつまでも心に残る大切な思い出になってほしいという想いがあります。工房見学スペースを設けたり、定期的に革のワークショップを開催するのはそのための一環。他にも、カタログと一緒に“思い出作りセット”をお渡ししたり、現在は店舗でチェキを撮ってプレゼントしています。
![_0426_0238](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/780w/img_4550c2c62d5ac33f5fde7268b47c2f6d495464.jpg)
ランドセルを選んでいるときの写真や店舗で撮ってもらったチェキを貼れば、ラン活が楽しい思い出として残る
三角さん:
また、店舗によっては駅から少し離れた場所にあるのですが、お店までの景色を見ながら、ご家族でランドセルの話をしていただく。そんな道中も思い出になったらと考えています。また、工房だけでなく店舗でも物作りの楽しさに触れてほしいという想いから、ランドセルの金型やミシンを配置しています。
![_0426_0251](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/2/b/780w/img_2b9d4a87c205821aa49e07aa0d3ba43d834243.jpg)
お店までの景色を見ながら、親子の会話を思い出にしてほしいという願いが込められている
![_0426_0135](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/780w/img_de9434da2a9d4345b71d43ce7bb64453439293.jpg)
土屋鞄の店舗や工房、オフィスにはこんな遊び心は所々に散りばめられている
──いいですね。つい‟〇〇活”といわれると、焦らされている気持ちになってしまうのですが、‟ラン活”ってそういう意味では、親子で作る最初の小学校の思い出になるんですね。店内のポスターなどを見ても思いましたが、これから子どもが成長していけば、気づけばどんどん前を歩くようになる。そのとき、記憶に残るのはランドセルを背負った子どもの後ろ姿なんだろうなって。これから6年間見る、後ろ姿を親子で選ぶ。そう思えたら、楽しめそうな気がします。子どもも、自分のものを選んで買うっていうのは、きっと、すごい嬉しいんですよね。
![_0426_0011](https://chanto.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/780w/img_6686c01c1b42306c5698e8dd543a8e7e427451.jpg)
直接届く感謝の言葉が、職人さんたちのモチベーションにつながっていく
──ラン活は小学校生活の第一歩になるからこそ、いつまでも心に残る大切な思い出になってほしい。それが土屋鞄の創業から続く想いでした。ラン活に迷いや不安を感じている方はぜひ一度、ご家族で土屋鞄の店舗や工房を訪れてみてはいかがでしょう。きっと、子どもの最高の笑顔にも出会えるはずです。
取材・文/三上順司 撮影/田中利幸