いつのまにかモノが減り、自信は増えていく

いきなり高いハードルを飛ぼうとする人は、「モノを捨てるのは大変だ」と思い込んでいるところがあります。 だから準備も必要だし、飛ぶときには悲壮感すら漂ってしまう。 でも、「11捨て」なら、1分あればできます。ティッシュを引き出すのと同じくらい手軽()。 私は、電車で座れたら、お財布の中を整理する時間に充てています。新宿から渋谷までに選別して、降りて、最初に見つけたごみ箱に捨てる。このくらい軽いです。

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こんな練習も繰り返しいくうちに、不思議と、モノを選別する力が備わってきます。わかっていなかった持ち物を把握できるようになり、「捨てる」行動に抵抗感も消えます。 しかも、少しずつでも、身の回りは確実に快適になっていく。 お財布は薄くスマートになり、キッチンの引き出しは開け閉めもスムーズ。 気がいたころには、相当のモノが捨てられています。これはなかなか気分がいいものです。 こうして自信がついてきて初めて、「いつか決着をつけなくちゃいけない何か」を取り出してくればいい。 その頃にはたぶん、逃げずに向き合う力もついているはず。いちばん捨てにくかったモノを見つめ、捨てられなかった理由もひもとくことができると思うんです。 ゆるやかにゆるやかに、でも確実に捨てていく。 コツコツ努力するのが大嫌いな私が、捨てられるようになったのは唯一の方法です。小さな成功で自分を肯定し、少しずつ進化しながら大きなゴールに進んでいく。 時間はややかかるのですが、これぞ、リバウンドなしの捨てる王道! と秘かに思っているのです。

 

ライター:のざわやすえ
出版社での編集を経てフリーに。ライター・エディター活動の一方で、主婦雑誌で培った知識をもとに「暮らし方アドバイザー」として、整理収納や家事タスクのアドバイスでも活動中。また、趣味のソーイングではオーダー業も。働きながら育てた一男一女は、この春から高2、高1に。