「定価で買うのは損」という発想がダメな理由
お金が貯まらない夫婦は、皆、似たような口グセがあります。いくら共稼ぎで収入が多かったとしても、その口グセや言い方をする夫婦は、お金が貯まりません。以下でいくつかご紹介しましょう。
1.「コンビニで(定価の)ジュース買うのやめなよ!」
飲み物やお菓子など、相手のこまごまとした出費のムダを指摘し、数十円の節約をするように迫る…。家計相談をしている最中に、パートナーに対して、このような指摘をし始める人がいます。たしかにチリもつもれば山になりますから、一理ある主張のように思えます。
しかし、パートナーの細かい出費を指摘する夫婦は、たいがい、お金が貯まりません。その指摘は、本当に貯金ができない問題を解決するためではなく、“相手を責め”たてて自分を正当化するためのケースが多いからです。
言われたパートナーの方も、その意図を感じ取りますから、素直に聞き入れようとしません。それどころか、「そっちだってムダな出費をしているじゃない?」と反撃し始めます。そのうちケンカになり、お金を貯めるための話し合いは一切なく終わる、というパターンです。
2.「私の方が生活費を多く払っている。そっちは少ししか払っていないじゃないか」
こちらは、共働きの夫婦にありがちな会話。夫婦間で財布を一つにしないで、別々にしていると、「自分の方が多く払っている」ことで言い合いになりがちです。
それなら、現在の収入と支出をしっかり洗い出して、きちんと出費を分ければ済む話ですが、なぜか文句を言っている人もその提案はしません。きちんと分けると、自由に使えるお金が減る可能性があるからです。
このような「自分のほうが多く払っている」とセリフが出る時も、多くの場合は、相手を責めることで、自分を正当化しようとしているだけ。前向きな話をしようとしているわけではないのです。
「お金がないから旅行できない」とグチる人は、貯められない気質?
3.「お金がないから、旅行ができない」
「お金がないから、できない」とグチを吐く人がいます。夫婦の場合は、どちらか一人ではなく、二人揃って言うことが多いと感じます。
しかし、そういう口グセがある夫婦は、お金が貯まりにくいといえます。「お金がないと何もできない」と自分自身に言い聞かせているだけで、貯める工夫を放棄しているからです。
それに対し、お金が貯まる夫婦は「お金がないから、別のことをしよう」といいます。すると、「お金がないから(旅行ではなく)テントを買って、デイキャンプをしよう」というように、お金がないなりにアイデアを出して楽しむようになります。こういうタイプは、出費についてもあれこれ工夫できるので、結果的に、お金が貯まる仕組みを作っていくことができるのです。
4.「1年間で100万円貯めなくてはいけない」
例えば「100万円貯めなくてはいけない」という口ぐせがある人も、お金が貯まりにくい傾向があります。一見、ストイックのようですが、相談に来る方を見ていると、途中で挫折する人が多い印象です。おそらく、自分で自分を勝手に追い込むあまり、日々の節約がイヤになってしまうのでしょう。お金が貯まる人は、ムリのない範囲で貯金に取り組んでいます。だから息切れすることなく、お金が貯まるのです。
以上のような口グセや物言いを続けていると、いつまで経ってもお金が貯まりません。心当たりがある人は、今日からでも直しましょう!