伝統芸能体験から学ぶ事・感じる事
今回単純に『楽器をやってみたい』と思い篠笛を習ってみましたが、最初は「主人と子供に迷惑かけてまでやる事だろうか?」と躊躇もしました。しかし結果的に挑戦してみて良かったと思った事は幾つもあります。 1つ目は『目標(発表会で演奏)に向けて努力する』というスピリットを取り戻した事でしょうか。昔武道を習っていた頃に度々体験したことながら、どうしても大人になり親になると、家族優先になり、自分自身の私的な目的のために時間を割く機会が少なくなります。たまにはこういう風に、プライベートでも新しい目標を持ち、努力する機会を持つ事は大事ではないかなと思うのです。仕事以外でも(笑)。 2つ目は、亡父の気持ちが理解できるようになった事でしょうか。私の父は、前述しましたが生前尺八の師範でした。一緒に住んでいる頃は、週末は「演奏会だ、稽古だ」と出かける事が多く、家事も子育ても母に任せっぱなし。子供の私は『お父さんは家庭よりも尺八の方が大事なのだろうか』と快く思っていませんでした。しかし、やはり芸事というのはゴールがなく、常に精進しなければいけないものなのだ、という事が自分なりに理解できるようになりました。小さな篠笛でも結構肺活量も使い、複雑な運指があるので、大きな尺八は相当難しいだろうと想像がつきます。ですから会社勤めと並行し、何十年も尺八の稽古をコツコツ続けていた亡父の努力は、尊敬に値すると素直に思える様になりました。 3つ目は「子供の興味のあるものはとりあえずやらせてみて、本人に続けるか否かは判断してもらう」と思った事です。今回、私は単純な楽器の憧れから体験講座に参加してみましたが、憧れの洋楽器ではなく、和楽器も奥が深くて楽しいという事を自ら体験して知りました。こればかりは体験してみないとわからないですね。夢中になれることを見つけるきっかけ作りは大事だと思いますが、子供の意思を最優先して、親の一方的な意見や、理想を押し付けるのは控えます(笑)。 最後に、昔ながらの日本の伝統芸能に触れることは素晴らしい!そういう素晴らしい伝統芸能に触れることが出来て良かったと改めて感じました。今回篠笛体験講座に参加しなければ、『車人形』や『説教節』等は全く知らないまま過ごしていたと思いますが、特に車人形の精巧さや操作の仕組みに驚き、考案した昔の人達の技術力・発想力に、日本人の技術力の高さを改めて誇らしく思ったのであります。そしてこの素晴らしい芸能を継承している地元の皆さんを、同じ地元民として応援していきたいなと、郷土愛?みたいなものが芽生えました。
もし読者の皆様の地元に昔から受け継がれている伝統芸能等があれば、機会があれば是非親子共に一度体験してみて頂きたいと思います。日本人のアイデンティティが薄れつつある現代ですが、代々祖国で受け継がれてきた文化芸術からは沢山学び取るものがあります。 そんな訳で、次回は息子が興味を持った伝統芸能挑戦レポートをお届けしたいと思います!お楽しみに!!
CHANTOママライター/トヤマチエコ