子どもが小学校に上がると、保護者の生活も一変します。
北陽・虻川美穂子さんは、この春、小学校に進学する息子さんのママ。気がかりのひとつが、帰宅から就寝までの短い時間でうまく息子と向き合えるのかということです。
宿題にはどのように付き合うべき?環境の変化にわが子はついていける?最初のうちは親は仕事をセーブした方がいいの?
公立小学校での校長経験もある東京未来大学特任教授の長谷川かほるさんに、虻川さんがママのリアルなお悩みを打ち明けます!
内気でその日あったことを話さない息子…学校生活が把握できなくなるのでは?
虻川さん:
息子はいま保育園に通っていますが、その日のことをあまり話さないんです。保育園では先生と毎日話せますが、進学したら小学校での息子の様子がわからなくなるのではと心配しています。
長谷川さん:
そう話す親御さんは少なくないですよ。でも、「今日は何があったの」「今日、楽しかった?」とストレートに聞いてしまうと、子どもも面倒くさくなったり、言いたくなくなったりしてしまいます。
自分のことを話したがらない子は、自分から話したい雰囲気に持っていってあげるといいですよ。例えば「今日はお仕事で面白い人がいたんだよ。学校にそういう人いないの?」とかね。
虻川さん:
ああ~、ストレートに聞きたくなる気持ちわかります~。
長谷川さん:
そこをグッとこらえて、最初の1週間ぐらいは子どもが帰宅したらゆっくりさせてあげて。何か言いたいなら、子どもの教科書やプリントを見て「楽しそうだね~」とつぶやいたり、会話のなかで少し「校庭をお散歩するみたいだね」などと触れるぐらい。
代わりに、「こんなことがあった!」と話してくれたら、じっくりと最後まで聞いてあげてください。
虻川さん:
新生活って最初は疲れますよね。子どもをケアするポイントはありますか。
長谷川さん:
そうですね、新入学後の子どもは心身ともに疲れています。特に学童に行く子は、一度に2つの新しい環境に適応しなければいけないので負担がかなり大きい。子どもの心身を癒やすために、まずはいつも以上に食事や睡眠など規則正しい生活を大切にしてください。
子どもの存在を認めてあげることも大切です。絵本の読み聞かせなどでコミュニケーションするほか、「こんなことができるようになったね」「ママはお仕事してきたけど、○○も学校で頑張ってきたんだね」と、その子の成長やがんばりについて話してあげてください。
虻川さん:
最初だけでも仕事をセーブして、放課後は一緒にいてあげたほうがいいのでしょうか。難しいとは思うのですが、そうしたい気持ちもあります。
長谷川さん:
子どもにとって保護者の活躍は誇らしいもの。子育てを理由に仕事を中断したり、やめたりとキャリアを諦める必要はありません。
そのうえで、もし可能であれば、半年ぐらい一緒にいる時間を増やすのもいいと思いますよ。今は在宅ワークになって、子どもが学童に行く回数を減らしている保護者もいると聞きます。お子さんの様子を見ながら、臨機応変に考えていってくださいね。