良い歩き方と悪い歩き方

スラリとした脚やお尻、ゆがみのない体。理想のボディが歩くだけで手に入る!?そんな夢のような方法を教えてくれるのが、著書『やせウォーク 4週間プログラム』が話題となっている運動指導者の森拓郎さん。意外にも、やせるウォーキングの王道である“あの歩き方”が太る原因を作っているとも。まずはあなたの歩き方をチェックしてみませんか?

 

大股で歩くとやせるは間違いだった!

ダイエットの王道とも言えるウォーキング。運動経験がない人でも取り組みやすく、日常生活にも取り入れやすいですが、「歩くほど太る原因をつくっているかも」と、森拓郎さんは言います。

 

「たとえば、やせるウォーキングで常識とされる大股で歩くという歩き方。大股で歩くと腰がねじれてくびれると思われがちですが、本来使われる股関節やお尻の動きが制限され、効率よく前に進めません。また、太ももに負担がかかり、太ももを太くする原因になります」

 

さらに、腕を大きく振るのもNGだそう。

 

「大きく腕を振ると、体幹が無駄にねじれて脚に負担がかかります。ふくらはぎを太くしたり、体のゆがみを作ったりする原因になり、どんどんボディバランスが崩れてしまうんです」

 

靴のかかとの内側がすり減る「太る歩きグセ」をチェック!

歩くことは、ダイエット目的だけでなく日常的にも行われています。普段の歩き方で以下に該当する人は、歩いても“やせにくい状態”になっていると、森さんは言います。思い当たるものがあるか、チェックしてみましょう。

 

▶︎靴のかかとの内側がすり減る・左右の減りが違う

「内側がすり減るのは、体がゆがんで脚に負担がかかっているサイン。左右の減りが違うのも関節にねじれがあるためです。これらの状態の靴をそのまま履き続けると、さらに正しい歩き方ができず悪循環になります」

 

▶︎雨の日はふくらはぎへの水ハネが気になる

「水がたくさんはねる原因は、ひざ下や足首のねじれ。後ろ脚を蹴ったときにつま先が外を向いているためです。正しい歩き方ならば、足の親指がまっすぐ後ろに送られるので、あまり水はハネません」

 

▶︎足裏のタコや外反母趾がある

「靴の問題もありますが、歩くときに足の指がうまく動かず、重心移動ができていないのもやせにくい原因です」

 

▶︎歩くと脚がパンパンになる

「歩く姿勢が悪かったり、歩く際に股関節を動かせていないと、脚の筋肉を使いすぎてパンパンになります。歩く際には脚だけでなく、股関節やお尻など、全身を使うことが大切です」

 

悪い歩き方を断ち切る!股関節&太ももストレッチ

こうした悪い歩きグセを直し、正しい歩き方を身につけるにはどうすれば良いのでしょうか?

 

「まずは悪い歩きグセの元凶を取り除くことが大切です。元凶となるのが、股関節のかたさ前ももの張り。この2つをストレッチでやわらげていきましょう」

 

▶︎お尻で歩く力をつける「股関節のストレッチ」

股関節のストレッチ

「股関節がかたくなると、お尻が動かず脚の力だけで歩こうとします。その結果、太ももを酷使して脚を太くする原因に。股関節をしっかりほぐして、お尻の力でまっすぐ歩けるようにしましょう」

 

床に座って両ひざを立て、両手は体の後ろに置く。左脚を右ひざの上に引っかける。

 

左脚を抱えて、おなかのほうに引き寄せる。股関節が伸びてお尻〜ももの奥が伸びた状態で3060秒キープ。背中は丸めず、骨盤を前に起こすように意識する。反対側も行う。

 

▶︎筋肉の張りを取る「前もものストレッチ」

前もものストレッチ

「お尻を使っていないために酷使している太ももを伸ばして、張りをやわらげます。ももの張りが気になる人は重点的に」

 

右半身を下にして横になり、右脚を前に出してひざを90度に曲げる。

 

左ひざを後ろに曲げて左手でつま先を持ち、お尻に近づける。前ももが伸びているのを感じながら3060秒キープ。呼吸は止めず、腰を反らさないように注意。反対側も行う。

 

この2つのストレッチは毎日行うのがおすすめ。長年のクセはなかなか取れませんが、だんだんと体も変わっていくはずです。美しいボディラインの第一歩、続けてみてください。

 

PROFILE 森拓郎さん

森拓郎さん
運動指導者。2009年よりパーソナルスタジオ「rinato」でボディメイクやダイエットを指導。運動の枠にとらわれない独自のメソッドで、モデルや女優などの支持も多く集める。『30日でスキニーデニムの似合う私になる』『5分トレーニングで翌朝小顔』『ボディメイクストレッチ 理想の体を手に入れればどんな服も着こなせる』など著書多数。インスタグラム(@mori_taku6)

 

取材・構成/大浦綾子 イラスト/いしかわひろこ