新型コロナの影響で、会社が業績不振に陥り、冬のボーナスが大幅カットに。あてにしていた収入が消え、家計が苦しくなっている家庭は少なくないようです。立て直すためには何をすべきでしょうか。家計再生コンサルタントの横山光昭さんによると、やることはひとつだといいます。

もはやボーナスは「ないもの」と考える

日本中に吹き荒れるボーナスカットの嵐。11月10日に全労連(全国労働組合総連合)が発表した中間集計でも、「今冬のボーナス」は過去10年で最も低く、リーマンショック以上の下げ幅になるといいます。

 

大きな買い物のためにボーナスをあてにしていた人、とくに住宅ローンやクレジットカードでボーナス払いを利用していた人は、返済できずに困っている人もいるかもしれません。

 

そのピンチを一時的にしのぐことは可能です。住宅ローンの返済は、金融機関によっては、新型コロナの特例で一時的に猶予してもらえますし、クレジットカードの支払いは、カードによっては後から分割払いに変えられます。

 

しかし、ピンチが過ぎたからといって、そのままで終わらせてはいけません。ボーナス払いをしていた人だけでなく、ボーナスで何か大きな買い物をしようとしていた人は、この機会に、「ボーナス頼みの家計」を見直すことをおすすめします。

 

ボーナスが出ないのは、この冬だけとは限らないからです。仮に新型コロナの感染拡大が収まったとしても、勤務先の業績が急激に回復するとは限りません。この先、何年も出ないことや、コロナ前の水準に戻らないことも十分に考えられます。

 

にもかかわらず、ボーナスに依存する体質を変えないと、そのうち、クレジットカードを使い始めたり、小さな借金をするようになります。そうしたほころびがどんどん広がることで、借金が返せなくなった家庭を、私はたくさん見てきました。

 

私がすすめているのは、「最初から、ボーナスを『ないもの』として考える」ことです。「すべての出費を、月々の給料からまかなう」ことを心がければ、少々のことではビクともしない家計の体質を作り上げることができます。