vol.42 ワーケーション
育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.42は「ワーケーション」についてです。
コロナ禍を経て「ワーケーション」という言葉をよく聞くようになりました。「ワーケーション」とは、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地などで休暇をとりながら働くことを意味します。勤務する日や時間を決め仕事以外の時間は滞在先で観光をしたりと自由に過ごす、新しい働き方の形です。
長期休暇に組み込むだけでなく、たとえばワーケーションと週末の休みを合わせればまとまった休みが気軽にとれ、旅行や帰省がしやすくなります。心身のリフレッシュにもつながり、仕事の生産性の向上や有給取得推進にもつながると期待されています。
新しい働き方に期待する声の一方、育児世代ならではの心配も…
ワーケーションという新しい働き方についてどう考えるのか、まずはCHANTOモニターのみなさんに賛否を問いました。
結果は、「賛成」18%「どちらかといえば賛成」32%と肯定的に考えている人が半数という結果に。「夏休みや年末年始に限らず長期休暇が取りやすくなる」「楽しそうだからやってみたい」「旅行で見聞を広めることがいい仕事につながる」と、これまでになかった働き方に期待を寄せる声が集まっていました。また、過去にハワイでやってみたという人から「とても気分転換になっていい」という経験談も。
その一方で、「どちらかといえば反対」(23%)、「反対」(5%)と回答した人からは「休暇と仕事が曖昧になる」という心配、「どちらでもない」(23%)には「医療関係の仕事なので、難しい」「自分は休暇に仕事をしたいとは思わないが制度としてはあってもいいと思う」と業種や職種によっては実現できないというデメリットも寄せられています。
もしオフィスに縛られず好きなところで自由に働けるなら、ママたちが行きたいと思うのはどんなところなのでしょう?ワーケーション希望の場所について、複数回答で答えてもらいました。
一番人気だったのは「沖縄」、その次に「ハワイ」と人気の2大リゾート地が主に票を集めています。さらに「石垣島」「グアム」などの意見も目立ち、せっかく行くなら長期休みでなければ行けないような、きれいな海の見える島に滞在したいというのがママたちの気持ちのようです。ちなみに他には「北海道」「オーストラリア」など人気の観光地が上がっています。
「ワーケーション中の子どもの預かり先」はどうしたらいい?
ただ、ワーケーションにも課題があります。「育児世代がワーケーションするために最も必要なことはなんだと思いますか?」と聞いたところ、一番の課題とされたのは「滞在先の子どもの預け先」があるかどうか。コロナ禍のテレワークで子どもが一緒だと仕事にならないと実感した人も多かったからかもしれません。
ワーケーションに注目が集まる中で、親子に優しいプランを打ち出している滞在先も増えてきています。親が仕事をしたいときに子どもを預かってくれる施設のあるところや、子どもだけで参加できるアクティビティやワークショップなどを設けていることころなど、うまく滞在先を選んで活用できたらいいですね。
労働時間の管理や費用面をどうするかなど「勤務先の制度確立」、ワーケーションという働き方への「勤務先の理解」という意見も多く、これは育児世代だけに限らない課題です。「社内の制度が整っても得意先の理解も必要だと思う」という意見も見られ
ました。
制度面などの課題のほか、現在はコロナ禍もありワーケーションがすぐに一般的になるのは難しいかもしれません。ただ、ワーケーションを用いることで家族での思い出が作りやすくなり、旅という非日常の体験が私たち親にも子どもにもいい刺激になることは確かです。これから働き方の選択肢が増えることに期待したいですね。
取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里
©️CHANTO調べ 調査期間:2020年10月23日〜11月2日 調査対象:CHANTOモニター79人