話し合いが難しい場合は距離を置いてみる

自分の気持ちを伝えて理解を求めても、相手が「偉そうなことを言うな」など逆ギレしてしまう、話し合いが難しいという場合もあります。

 

そんなときは実家に避難する、一泊旅行するなど、夫と物理的に距離を置いてみるのもいいですね。そこで夫が妻の気持ちを理解し、態度を改善してくれれば和解できることもあるでしょう。

 

しかし、いったんは謝ってくれても、また同じことを繰り返すことも少なくありません。そのようなときは、録音をしておく、日記をつけるなど、相手の言動を示す証拠を残しておきましょう。DVやモラハラは、民法770条1項5号に定められる離婚理由となりえますので、調停や裁判で離婚を求める際に証拠となります。

 

夫婦げんかはどこからがDVか、という線引きは難しい部分もありますが、子どもにとっても、お母さんがそのような言葉を言われているのを聞くのは悲しいはず。

 

肉体的精神的に関わらず「配偶者に傷つけられた」と感じたときは我慢する必要はありません。今後の人生を夫とともに過ごすのが幸せかどうか、よく考えてみてましょう。

 

<配偶者の暴力から守ってくれる法律>

〜DVの定義〜
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)【配偶者からの暴力】

1.この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。

 

〜離婚についての規定〜
民法第770条【裁判上の離婚】

1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。


 ①配偶者に不貞な行為があったとき。


 ②配偶者から悪意で遺棄されたとき。


 ③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。


 ④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。


 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

PROFILE 上谷さくら(かみたに・さくら)さん

上谷さくら
弁護士(第一東京弁護士会所属)。犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長。第一東京弁護士会犯罪被害者に関する委員会委員。元・青山学院大学法科大学院実務家教員。福岡県出身。青山学院大学法学部卒。毎日新聞記者を経て、2007年弁護士登録。保護司。2020年5月に著書『おとめ六法』(KADOKAWA)を出版。

取材・文/早川奈緒子  イラスト/佐久間薫

(※)内閣府 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/h29danjokan-gaiyo.pdf#page=5