みなさんは法律について、どのくらい知っていますか?

 

法律は、ざっくり言ってしまえば「国民が守るべき決まりやルール」です。知っていれば、目の前で起きていることが「当たり前」なのか「法律違反」なのか考えることができますよね。

 

実際に訴訟や裁判を起こすケースは少なくても、知識はきっとあなたの力になってくれます。

 

ママにとって身近な”モヤモヤ”に関する法律を、女性のための法律書『おとめ六法』著者で弁護士の上谷さくらさんに教えていただきます。

私を見下す夫…DVって法律でどう定義されているの?

夫婦げんかのとき、「だからお前はバカなんだ!」などと言われたことはありませんか。大声で怒鳴られたり、口汚い言葉でののしられると、こちらは萎縮してしまうし、人格を否定されたような気になりますよね。

 

妻のほうの収入が低い、学歴が低いなどという理由で日常から支配的な態度を取る夫もいます。妻だって家族のために家事や子育て、仕事もがんばっているのに…。

 

夫婦って対等なはずなのに、妻を見下している夫は少なくありません。肉体的な暴力ではないけれど、妻側の心は傷ついています。

 

これって精神的DV?法律ではどう解釈されているのでしょうか。上谷さんに聞きました。

【DV防止法】心身に有害な影響を及ぼす言動はDV

言葉や態度で相手を見下したり、経済的に相手を支配したりするのは、いわゆるモラハラ(モラル・ハラスメント)です。

 

「バカ」「能無し」など相手の心を傷つける言葉を、一方的日常的に言われ続けることは「DV防止法」における「精神的暴力」に当たります。

 

実は、女性の約3人に1人は、配偶者からの暴力被害(身体的・心理的・経済的・性的強要のいずれか)を受けた経験があるという調査結果があります

(※)。このような事例は非常に多いんです。

 

精神的DVとまではいかなくても、無自覚にモラハラ(モラル・ハラスメント=精神的嫌がらせ)をする人も多いです。夫に日常的にひどい言葉をかけられると、どんどん自己肯定感が下がって「自分が至らないからかもしれない」と感じてしまいますよね。

 

夫に人格を否定するようなことを言われたら、まず「そういうことを言わないでほしい」「軽い気持ちで言っているかもしれないけれど、私はとてもイヤで傷ついている」と、はっきり冷静に相手に伝えましょう。