今の勤務先でのキャリアプランに希望が見えにくいときには、思い切って早期退職を考える人もいるのではないでしょうか。また、育児や介護など家庭の事情によって考えざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、退職後「こんなはずではなかった!」とならないために、決断する前に確認しておきたいことがあります。今回は、早期退職のメリットとデメリット、退職の理由別の注意点についてお伝えします。
早期退職のメリットとデメリット
定年を待たずに退職することを早期退職と言いますが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
メリット
- 次のキャリアプランを早く始められる
- 悩みながら働くストレスから解放される
早期退職をして転職しようとするなら、早く転職したほうがその分新しいキャリアを早く築くことができます。現在の職場でのキャリアプランに将来性を感じられなければ、転職をしてステップアップするほうがメリットがあると言えるでしょう。
また、「もう辞めたい…」とモヤモヤ悩みながら働き続けるのはストレスが大きいですよね。ストレスフルな毎日を過ごしていると、仕事中だけではなくプライベートな時間にも影響が出てきてしまいます。そんな時は早期退職を決断することで、新しい世界が開ける可能性があります。
一方デメリットも考えなくてはなりません。
デメリット
- 収入が一時的に下がる可能性がある
- 新しい職場で融通がきかないことも
現在の職場に対して、主に待遇面で納得できずに早期退職を考えている人もいるでしょう。しかし転職した場合には、はじめの数か月は試用期間として収入が下がることが少なくありません。
日本FP協会の「働きざかり(30代・40代)のライフプランニング意識調査(2010年)」によれば、30代で転職経験のある人は約6割、平均して2.3回という結果でした。半数以上の人が転職をしていますが、転職をして収入が増えたと答えている人は少ないのが現状です。
転職による年収の増減額は、「ほとんど変わらない」と答えた人が男女とも最も多いのですが、増減額の平均を見ると全体で14.4万円の減少、女性の減少幅はそれよりも大きく27.2万円です。早期退職後に転職を考えているなら、収入面で困らないようにしておかなくてはなりません。
また、長く勤務している職場では、ちょっとした都合で半日休暇を取ったり、遅出や早退など融通がきく点が助かりますが、新しい職場では難しくなる可能性もあります。このように見えづらいデメリットにも気をつけなければなりません。