夫の転勤に帯同しての海外生活で、積み上げたキャリアを途絶えさせた経験と専業主婦としての生活で感じたジレンマを糧に起業を決意し、現在は、女性の活躍をサポートする立場として活躍する大東めぐみさん。前回に引き続き、自分らしい働き方を見つけるためのポイントについて伺いました。
人が集まる場所から築かれる、長期的な関係づくりも今後のビジネスの鍵
——大東さんが起業された2014年と今を比べて、働き方はどのように変わりましたか?
大東さん:
オンラインやSNSの活用率がかなり上がりました。起業した当時からオンラインやSNSを使ったセルフブランディングを発信していたので、その変化は顕著に感じています。最近は企業とのミーティングや取材もオンラインが増えました。
SNSについても、FacebookやTwitterに続いて、InstagramやYouTubeの認知度と活用度が高まり、ツールの選択肢が増えるにつれて、ライブ配信やリアルタイムでストリーミングなど、活動の幅も広がっています。
発信する側だけでなく、それを受け取る側にも変化はあって、オンラインやSNSの活用に慣れてくると、わざわざセミナーに足を運ぶ必要がなくなってくるんです。私も以前にも増して時間や場所に縛られなくなったように感じていますし、何かを学びたいと思う人たちも、自宅で気軽にスキルアップができるような時代になりました。
——このオンライン時代は、今後どのように変化していくと思いますか?
大東さん:
オンラインビジネスと、対面でのビジネスに二極化していくのではないでしょうか。ほとんどのものがオンライン化されていくにつれて、どうしてもリアルタイムや対面でないと伝わらない、価値が生まれないものもあって、そのニーズや貴重さにも注目が集まっていくはずです。
コロナをきっかけに急増したZoomなどのオンラインミーティングや、オンラインレッスンについては、テクノロジーは逆行しないので、今後もなくなることはないと思います。ただ、次第に一人で働くことが難しくなってくるかもしれません。
——コミュニティを持つことが重要になってくるということでしょうか?
大東さん:
何かが始まる前の黎明期っていのは、珍しい取り組みや奇抜な発信をする人に注目が集まりやすく、その分ビジネス展開にもつなげやすいのですが、今はみんながSNSで発信し、オンラインツールでつながっている時代。10年前はすごく目立つ行動も、今は「みんなと同じ行動」として差別化が難しくなっています。
ビジネス展開を目指してSNSでフォロワーを集めようと頑張っても、いろんな人が同じような考えでやっているから飽きられるのも早いんです。一生懸命フォロワーを集めようとするのではなくて、たとえば、「綺麗になりたい人のため」とか、「子育てママのため」の共有できる場所を作っていくなどで、短期的な関係ではなく、長期的な関係を築いていくことが重要になってくるはず。
——場所やコミュニティに付加価値をつけていくということですね。今後、SNSは廃れていくのでしょうか。
大東さん:
SNSは「人とコミュニケーションをとりたい」という欲求から始まったサービス。たとえFacebookやInstagramが廃れていっても、新しいコミュニケーションツールが生まれてくると思います。人間の欲求に基づく本質的なものは、ずっと変わらないと思います。