子育てと仕事の両立は、なぜこんなにも難しいのか?
10月のオピニオン特集企画「ママになっても働きやすい職場
」では、その原因をさまざまな角度から考察しました。
同じ頃、そんな流れと連動するかのように、Twitterのワーママ界隈で「#私のワーママ年表」というハッシュタグが話題になったことをご存知でしょうか。
きっかけとなったのは、女性向けキャリア支援事業を行うMYコンパス代表・岩橋ひかりさんのこのツイートでした。
2011 震災直後に復職、大変すぎて3度の高熱
2012 人事で様々な本音に触れ憤る毎日
2013 キャリコン試験で疲弊
2014 2度目の育休、育休インターン
2015 復職、退職、起業
2016 自由な働き方を堪能
2017 長男小1、法人化
2018 子連れワーケーション
2019 離婚の危機
2020 コロナ復縁#私のワーママ年表 — 岩橋ひかり🚩MYコンパス|キャリアコンサルタント (@HikariIwahashi) October 14, 2020
産後の働き方や夫婦関係の変化をギュッとまとめたこのツイートがじわじわ拡散され、Twitter上で自らの10年史を振り返る女性たちが続々と登場。ワーママ界隈で大きな話題になりました。
「#私のワーママ年表」を通じて見えた社会の変化、そして2020年代のワーママの課題とは?岩橋さんにお話を伺いました。
ワーママの転換点は2010年だった
──Twitterのワーママ界隈で大いに反響を呼んだ「#私のワーママ年表」ですが、このつぶやきのきっかけは?
岩橋さん:
もともとのきっかけは、今年10月に開催したセミナーで「ワーキングマザーを取り巻く環境がこの10年でどれだけ大きく変わってきたか」という内容について語ったところ、参加者からの反響が非常に大きかったことです。
大きな節目となったのは、2010年の「育児・介護休業法」の改正です。
時短制度が義務化されたことで、育休を取って仕事に復帰するのが当たり前という風潮が生まれ、ごく普通の女性たちがワーママとして働くようになりました。それ以前はどうしても、仕事に人一倍熱意がある女性、もしくは福利厚生が整った会社で働く女性でなければ、ワーママにはなりづらかったんですね。
──2010年の法改正以降、ワーママの母数がどんどん増加していった。
岩橋さん:
そうです。私自身も今年でちょうどワーママ歴10年目ですから、実感としてもわかるんです。2010年代の前半には、働きながら子育てをするママ向けのサービスってまだほとんどなかったんですよ。自治体のファミリーサポートの他は、マドレボニータ、フローレンスくらいだったと記憶しています。
でも2014年頃になるとワーママ向けのノウハウ紹介メディアが続々創刊され、家事やシッターサービスも急増しましたよね。
ワーママにまつわる出来事✏️
2011 LINE開始
2012 iPhone5発売
2013 日経DUAL創刊
2014 家事代行サービス拡大
2015 スマホ保有者拡大
2016 女性活躍推進法 施行
2017 ミールキットが人気
2018 働き方改革議論スタート
2019👩🏻就業者3000万人
2020👩🏻 管理職比率30%見送#私のワーママ年表 — MYコンパス(マイコンパス) (@MYCOMPASS_tokyo) October 21, 2020
──確かに、この『CHANTO WEB』も月刊誌『CHANTO』から生まれたWEB媒体ですが、前身の『すてきな奥さん』から『CHANTO』にリニューアルしたのは2014年です。
岩橋さん:
私は2010年に第一子を、2015年に第二子を出産したのですが、2人目の産後はワーママまわりのサービスや選択肢が格段に増えていて、とても驚きました。出産後でも女性が働き続けられる社会へと、着実に変化してきている。それはこの10年間で大きな流れだと感じています。