バブリーたまみ

ママ界のエンターテイナーとして活動するバブリーたまみさん(通称、バブたまさん)。ときに“スーパーポジティブ”、ある時は“弱いママ代表”としてさらけだすSNSが、今、話題になっています。今回は、SNSとの向き合い方、ママ友やパパとの関係など、子育てにおけるコミュニケーションについてうかがいました。

「産後のママのリフレッシュ代は、浪費じゃなくて投資」が話題に

——日々、発信されているSNSはママたちからの反響も大きいですね。

 

バブたまさん:バブたまを始めた頃は、スーパーポジティブなママとして発信していたんです。ママは弱音を吐いちゃダメだと思っていたのもあって、マイナスな部分は出さないように。でも、上の子が2歳くらいの頃、水たまりの上でぐずりだして

 

イライラして、もう耐えられないと思って、その画像をSNSにアップして「ずっと元気って言ってたけど、今日はマジで無理そうです」と投稿。そうしたら「その気持ちわかります!」って、すごく反響がありました。

 

それからはリアルな日常や気持ちも出すようにして、「大変なものは大変、って言って何が悪いの!」「きついものは、きつい!」と発信しています。そうすることで私自身、ストレス発散になるし、ママたちにも弱音を吐いていいって思ってもらえる、今はそんないいサイクルができていると思っています。

 

——先日、Twitterでの「産後のママのケア代・リフレッシュ代は、浪費じゃなくてもはや投資」も、1.1万ものいいねがついてましたね。

 

バブたまさん:ママになったら、自分より子ども。私なんかにお金を使ったり、リフレッシュしてはダメと考える人も多いと思うんです。私も上の子のときは、それがいいママだと思って我慢していましたから。でも、とくに産後の体は大事だから、自分のためにお金をかけていいし、我慢しなくていいと思いますね。

「いいね」が欲しくて頑張る私って何?って気づいた

——SNSが心のよりどころというママも多いですよね。バブたまさんにとってSNS存在は?

 

バブたまさん:実は上の子を出産した後、SNS中毒になってしまったんです。ママ友同士でSNSをフォローしながら、お互いの子育てをみていたんですけど、みんなキラキラしている。その投稿をいい方向で捉えればよかったものの、私は負けたくないと思うようになっちゃって

 

子育ては孤独だし、社会とつながれるのがSNSしかないから、そこで評価されたいために「こんな手料理作っています!」「こんなところでランチしました!」と、噓偽りのことを書いてアピールするようになってしまったんです。

 

「いいね」の数が気になるし、コメントに「たまちゃん頑張ってるね」「いいお母さんだね」と、書かれることで認められたと思いたくて。だから、育児をしながらSNSをするのではなくて、SNSに投稿するために子どもがいる、感じになっていきました。

 

——子どもがSNSのためのツールになっていたんですね。

 

バブたまさん:SNSを通じて、お互いが大変だって認め合えればよかったのに、比較する対象になってしまい、結局ママ友とはトラブルになりましたね。親友だった女性とも、先輩ママと後輩ママの関係になって、絶縁してしまいました。

ママに先輩も後輩もない。マウンティングもいらない

バブリーたまみさんメイク中
数分でバブたまに。SNSで自分をさらけだすようになってママのリアルに気づくように

——そういう経験をして、今、ママ友と付き合う中で、大事にしていることは?

 

バブたまさん:

バブたまとしてSNSで発信するようになって気づいたのは、キラキラしているママでも、それはほんの一面だっていうこと。みんな髪の毛ボサボサで、メイクもしてなくて、おっぱい半分出しているくらいの状態で、懸命に育児をしている。それがリアルなんだって。私自身が自分をさらけだすようになって、わかりましたね。

 

それもあって、私の中で、「先輩ママ・後輩ママ」というのをなくしたんです。先に出産しても、2人、3人の子どもがいても、みんなそれぞれ育児の大変さがあるから同じ。子育ての経験値は上がっていくけれど、みんな違うし、みんな大変。そこを慰め合えればいいのかなって。もはや“戦友”ですね!

 

ママ友は、情報交換したり、共感したり、励ましあったりと、子育てライフを豊かにするものではあるけれど、ママ友で苦しめられるのは本末転倒なこと。家族、自分の幸せがメインですからね。

夫婦だから察してはムリ。ためこまず話し合う

バブリーたまみさんファミリー写真
7月に第二子を出産し4人家族に

——SNSを拝見していると、夫婦でよく話し合っている関係が伝わってきます。

 

バブたまさん:上の子が生まれたときは、何も言わなくても、パパに「この辛さわかって」「私の気持ちわかってよ」と思っていたんです。でも、男はわからないですよね(笑)。パパもため込んでしまうタイプだから、互いに爆発して余裕がなくなると、ストレスで当たり散らしていました。

 

そんな状態が続いていたから、ある時、パパが爆発して「俺だって頑張っている!」って。それで、私もハッと気づいて。それからは、ためこむのではなく、そのつど、夫婦で話し合うようになりましたね。

 

——どういうことで話し合うケースが多いですか?

 

バブたまさん:子育てをする中で「こうしたほうがいいんじゃないかな」と思うときですね。例えば、今、上の子が赤ちゃん返りが始まったんですけど、「あの言葉は子どもには伝わらないんじゃないかな?」「2人で怒るのはよくないから、1人は受け止めるようにしよう」って。それを冷静にLINEで送ります(笑)。けっこう感情的にならずに済みますよ。

育休時の最大のミッションはママをケアすること

壁に貼った長男の言葉
「赤ちゃんは泣くのが仕事だよ」と言った長男の言葉をリビングの壁に貼る

——今年7月に2人目を出産されたとき、ご主人は育休を取りましたか?

 

バブたまさん:1か月半、育休を取りました。育休は赤ちゃんを世話するためだけに取る、と思っているパパも多いですよね。でも、ママをケアすることが育休では大事だと思います。いかに妻を横にできる時間を作るかが重要で、「横になってくれてありがとう」くらいの気持ちでいてほしい(笑)。

 

産後は休むことが大切だし、ムリをしてしまうと、後々、体に影響を及ぼしてしまいますから。でも、どうしてもママたちは頑張ってしまうから、「産後はムリをさせないのが当たり前」というのが、もっと常識になればと思いますね。

 

——育休中、ご主人はどんなサポートをしていましたか?

 

バブたまさん:上の子のケア、赤ちゃんの世話、家事も任せて、ご飯も作ってもらいました。私は、赤ちゃんにおっぱいをあげること以外は考えませんって(笑)。でも、急に専業主夫になるのは、すごく過酷なことなので、週に1回、ドゥーラさん(家事も育児もサポートしてくれる人)にお願いして、パパのリフレッシュ時間も作りました。

料理の感想を聞いてくるパパ。ママの気持ち少しわかったでしょ

——ご主人の変化はありました?

 

バブたまさん:子育てや家事が良くも悪くも評価されないことがわかったんじゃないでしょうか。パパがご飯を作ったとき、私が何も言わずに食べていると「おいしい?」「おかず少なかった?」って聞いてくる(笑)。褒めてほしい、ねぎらってほしいというママの気持ちを少しはわかってくれたと思いますね。

 

産後の私の体の不調を近くでみて、子育てを一緒に共感しながら過ごせたのもよかったと思いますね。それと育休中にパパには、産後どうしても私がホルモンバランスの影響でイライラしたり落ち込んでいると、家族に影響するから、「とにかく産後はどんな私も受け止めてほしい」という話もしました。

 

否定するのではなく、まずは受け止めてほしいと。子どもにとって、家族みんなにとって、ママが笑顔でいることが大事だとわかって大切にしてくれました。それを当たり前とは思わずに感謝していきたいですね。

 

PROFILE バブリーたまみざん

プロフィール写真

1988年10月27日、福岡県出身。OLからママ界のエンターテイナーに。歌やパフォーマンス、YouTube、SNSを通して「ママの笑顔がいちばん」というメッセージを伝える活動を行っている。二児のママ。9月23日、ママの処方箋曲満載のアルバム「ママ、いっしょに幸せになろうね~爆笑サプリメントソングス!!~」をキングレコードから発売。YouTube MVも配信中。

 

文/山本初美 撮影/新井加代子