前回の記事では空腹に耐えてつらい思いをしながらダイエットするより、しっかり食べるほうが痩せられるというお話を伺いました。今回は、食欲をコントロールし、食べたい気持ちを抑える具体的な方法を管理栄養士の岸村康代さんに聞きました。

 

 

食べ方を変えるだけでドカ食いはなくなる!

ほんの少しだけお菓子を食べるつもりが、結局全部食べてしまった。本当はそれほどお腹は空いていないのに、食べきってしまう。——こんな経験、誰にでもあるのでは? 

 

私はなんて意志が弱いんだろうと自己嫌悪におちいる必要はありません。食べ過ぎは、意志の問題ではなく、身体の仕組みを知らないまま誤った食べ方をしているだけです。食欲のスイッチをオフにできれば、ちょうどいい量で満足でき、食べ過ぎることがありません」

 

空腹を感じる原因は「血糖値」

空腹を感じる原因は、血糖値にあります。つまり、食べても痩せるカギは、この血糖値を上手にコントロールすることなのです。でも、血糖値ってそもそもなんですか

 

「食事をすると、食べたものの中に含まれる糖質がブドウ糖に分解されます。このブドウ糖は血中に流れ出るのですが、この血中のブドウ糖の濃度を血糖値といいます。血糖値が上がると、脳はお腹いっぱいになったと判断し、今度はインスリンというホルモンが分泌されます。すると、血糖値が下がり、お腹が空いたと感じるようになるのです。空腹時に甘いものや精製されたパンなどの糖質をたっぷりとると、血糖値が急上昇しますが、その分インスリンもたくさん出るので、急激に血糖値が下がります。こうした状態は、強烈な空腹を感じる原因になり、たくさん食べてしまうことに。つまり、この血糖値の上がり下がりの波をゆるやかにしておくと、食欲を抑えられます」