男の子だからバレエを、女の子だからサッカーを習わせよう。

 

そう聞いたとき「しっくりこない」という感じる人は、男の子と女の子を逆にしてみたらどうでしょうか。

 

女の子だからバレエを、男の子だからサッカーを習わせよう。

 

…この方が「しっくりくる」という人が多数派でしょうか。

 

この違和感の正体、そして習いごとを選ぶ基準には、実は親や社会が抱く「女の子らしさ」のイメージが大きく関係しています。

 

運動会のシーズンであり、国際ガールズ・デーを迎えた10月。女の子とスポーツの関係性について、あらためて考えてみませんか?

「女の子らしさ」はスポーツと相性が悪い

3~6歳の子どもを対象にした「子どもの習いごとに関する意識調査」(2019年版)によると、男女ともに1位は「水泳」。ところが、2位以降では性別による違いがはっきりと現れています。

(※1)
出典:バンダイこどもアンケートレポート Vol.252「子どもの習い事に関する意識調査」結果(2019年)

2位が「ピアノ」、5位が「習字」と「芸術・技能系」が上位に入っている女の子とは対照的に、男の子は4位が「サッカー」、5位が「体操・新体操」とスポーツ系がランクイン。

 

他の調査でも、女の子はバレエやピアノ、ダンスなどの芸術系の習いごとが目立つのに対して、男の子は勝ち負けがはっきりする競技や格闘技など、スポーツ系の習いごとが多いことがわかっています。

(※2)

 

わが子や周囲を見渡してみると、「そういえばそうかも」と心当たりがある保護者も多いのではないでしょうか。

 

そこには世間がイメージする「女の子らしさ」とスポーツの相性がよくないことも無関係ではありません。

 

また、「618歳の女の子のスポーツ参加率は、男の子と比べると20%も低い」という結果も出ています。

(※3)

 

女の子は本当に男の子よりもスポーツを好まないのでしょうか?その背景について、世界最大のスポーツ用品企業NIKE JAPANの広報にお話を聞きました。

 

──日本の女の子は、男の子と比べるとスポーツ参加率が低いというデータがあります。背景にはどんな要因があると考えられますか。

 

ナイキ広報担当者

スポーツ庁による「平成29年度体力・運動調査結果の概要及び報告書」のデータを参考に、女の子がスポーツに参加する際に直面する障壁についてナイキとローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団(スポーツを通じた社会貢献活動を行う団体)で行った調査があります。

 

その結果、「618歳の女の子のスポーツ参加率は、男の子と比べると20%低い」「15歳を過ぎる頃からスポーツをやめる女の子は、男の子の約2倍」という数字が明らかになりました。

 

つまり、女の子は男の子よりもスポーツを始める機会自体が少なく、かつ続ける割合も低い、といえるのです。