—— 家族のお話を伺います。理想の家族像はありますか?
本仮屋さん
妹夫婦です。長男、長女の4人家族なんですけれど、私の理想です。妹は私と違って料理上手で家事も得意。人を育てるために生まれてきたと言っても過言ではないくらいなんです。そんな人が近くにいたので、料理も必要だからやっているだけ、家事も得意ではない自分には家族を持つのは無理なんだろうなとずっと思ってきました。でも、妹夫婦を見ているとどうやら家族というものは「協力し合うものなんだ」ということがわかってきました。
例えば、家を引っ越すときに、妹夫婦が「ここはいいよね。そこは譲れない」って意見を言っている姿を見て、2人で冒険しているみたいですごくいいなと思ったんです。苦手なところを補い合って作戦会議できれば、私でも家族が持てるんじゃないか、期待し始めたところです。
—— 作戦会議、なるほど。
本仮屋さん
チームで動くって魅力的だなと感じました。そういうやりとりが大変だ、疲れるという人も多いけれど、端から見ればそれが楽しそうに感じます。悩んだり、揉めたりする姿も美しくてすごくいいなって思いますし、それこそ、きゅんとしてしまうこともありますよ。
—— 観察していますね。家事が苦手ということですが、得意な家事はありますか?
本仮屋さん
洗濯が好きです。それも手洗いです。服を着ることがとても好きなので、手洗い表示をチェックして、指示通りに洗います。それはもう、アライグマのように(笑)。キレイになったら、またこの洋服を着られると思うだけで幸せになります。それ以外の家事は、本当に好きじゃないです。食べたいから料理しているだけなんです。でも、撮影が終わってそれこそ泥のように疲れ果てた後、「あ、人間に戻ったかもしれない」と感じるのは、包丁を握って料理をしたときなんです。料理はやらなくて済むのならしたくないけれど、自分を知るバロメーターではありますね。
本仮屋ユイカ / 女優
1987生まれ、東京都出身。ドラマ『3年B組金八先生』や連続テレビ小説『ファイト』の主演など、数々の人気ドラマに出演。現在は『ココ ロ通う街角』のナレーションや、ラジオ『Sparkle Life』のパーソナリティを務めるなど幅広く活躍している。3年ぶりの写真集「CANTIK(チャン ティック)」(ワニブックス刊)が 発売中。
取材・文/タナカシノブ