オモチャを欲しがる子ども。どう話すといい?
また、子どもがいつもオモチャを欲しがる場合なども、ムリにガマンさせる必要はありません。
「子どもの欲求を抑えようとするのは、他者中心の考え方。子どもが本当に欲しがるものは買っていいと思います。ただ、やみくもに買い与えるのではなく、どうしたら手に入れられるかを一緒に考える過程が大切です」
手に入れる方法として、少しずつお小遣いを貯めて貯金して買うのもいいでしょう。あるいは、お手伝いをしてお駄賃をあげるというやり方もあります。その家庭にあった方法を親子で話し合い、工夫しましょう。
オモチャを買った後の話もする
「自分中心の考え方でいえば、子どもも大人も自由です。オモチャを欲しがる気持ちも尊重していいと思います。でも同時に、自由には責任が伴うことも教える必要があります」
ただ買い与えるのではなく、購入するときに“片づけなかったらどうするか”などという話し合いは必要だそう。
「実際に片づけなかったとき、“放りっぱなしにするなら捨てるよ”などと言って、すぐに取り上げてしまうのは他者中心の行動です。“買ったとき、片づけなかったらママが預かると言ったよね?どうする?”と交渉してみましょう。子どもも“約束を守らなければ手放さないといけない”と理解します。そうすることで “自由には責任が伴う”という自覚が生まれます」
さて、ここまでいくつか例を挙げましたが、 正解はひとつだけではないといいます。
「親子の数だけ正解はあります。大切なのは、子どもと向き合うことです。問題解決をゴールとするのではなく、解決に向けて話をすること自体が愛情だといえるでしょう。自分との時間を大切にしている、愛情をかけられていると感じた子どもは、自分の意志とそこに伴う責任を持つ“自分中心”の考え方を育んでいけるのです」
PROFILE 石原加受子さん
文/齋田多恵