母親とのしがらみから逃れるためには、自分自身を尊重する“自分中心”の考え方が大事だといいます。自分を大切にすると、母親とも良好な関係が築けるようになるのだとか。では、具体的にどのように対応したらいいのでしょうか。具体的なケースごとに、心理カウンセラーの石原加受子さんが解説します。
Case1 母親がひんぱんに電話して、グチばかり言うとき
娘の都合を考えずに連絡してきてはグチばかりの母親。拒絶するのもかわいそうで、娘もつい付き合ってしまうケース。こうした場合はどう対応したらいいでしょうか。
かかってくる電話にすべて出る必要はない
「疲れていたり、都合が悪い時は、電話に必ず出る必要はありません。場合によっては無視してもいいのです。あとできちんと“忙しくて電話に出られなかった” “疲れていて話を聞く気分ではなかった”と、自分の気持ちを伝えれば問題ありません」
主語を「自分」にして話すと、相手の受け止め方が変わる
このときに大事なのは、 “私だって疲れているんだから、電話してこないで”などと母親に要求しないこと。これは相手を責め、強制する他者中心の行動になります。母親もカチンときてしまい、ケンカの原因に。
「大事なのは自分の気持ちを伝えること。慣れていないとつい混乱してしまいますが、“私はどう思っているのか”と、主語を自分にして考えるといいでしょう」
他者中心の考え方でいる限り、“自分の気持ちを伝えたら関係が悪くなるかもしれない”と思いがちですが、それは勘違い。むしろ、率直に言うことで 自分の状況や感情が伝わりやすくなります。
自分から提案するのもひとつの手
「自分がしんどくならない範囲で、譲歩案を出すのもオススメです。“何度も電話に出る余裕がないから、週に○回、この時間にできるかな?”と、自分が対応できる範囲を伝えましょう。そうすれば、娘が絶対に電話に出るわけでないことを認識するようになります」