幼児や未就学児で「白いごはんを食べない」子は意外と多いもの。

 

誰だって好き嫌いはあるし、元気に育っていれば大丈夫…とは思いつつ、白いごはんは家でも学校給食でも主食だけに、食べられないと本人が困るかも?先生や友だちから何か言われるかも?と心配になってしまうことも。

 

そこで今回は、子どもが白米のごはんを食べない理由や時期、食べられるようにママたちが工夫していたこと、小学校入学後のようすなどを紹介します。

「白いごはん」を食べない子、いつから?

「白米を食べたがらない」は、離乳食のはじまる0歳から小学校入学までさまざまな時期に起こります。

離乳食期

離乳食初期、野菜のペーストなどは食べるのに、おかゆはベーッと出してしまう子は少なくありません。

 

また、最初は食べていても、離乳食が進んでいろいろな味を体験すると白ごはんやおかゆの味が単調に思えるのか、嫌がるようになる子も。

 

多くはしばらくするとまた食べるようになるので、この時期に無理強いして本当に嫌いになってしまわないよう、うどん、芋、パンなど他の炭水化物で乗りきりましょう。

幼児食期

忙しい朝やおやつに、子ども向けのパンは強い味方ですが、甘みがしっかりついたものも多く、淡泊な味のごはんよりパンを食べたがる子もいます。

 

また、興味関心のうつりかわりが激しい幼児期には、ごはんの味そのものだけではなく「おとなしく座って食べる」ことが面白くない子も出てきます。

 

箸やフォークを使いたくないなら、ミニサイズのおにぎりにしてみても。

 

さらに、そもそも食に興味が薄い子や小食な子もいて、赤ちゃん時代と比べ、より個性がはっきりしてきます。

ママたちの「白米食べよう」大作戦

白米を食べないわが子に、こんな風にしてなんとか食べさせていた!というママたちの体験談を聞かせてもらいました。

 

「すでに試し済み」というアイデアも多いかもしれませんが、まだやったことがないものがあればぜひ参考にしてみて下さいね。

「混ぜごはんしか食べない」子にも…定番の「味変」いろいろ

定番のふりかけや、鮭フレークなどいわゆる「ごはんの友」、納豆などで味を変えるのは誰でもやっていると思いますが、それ以外にママたちが試してみた方法も紹介します。

 

「長女はお茶漬けや味噌汁をかけるとごはんを食べたので、ほとんどそればかり。少し成長してから聞いてみると、白いごはんを口に入れると貼り付いて喉が詰まるような気がするそうです。唾液の分泌が悪いのかな」(Sさん・39歳・6歳児と3歳児のママ)

 

「発想の転換!と、ハンバーグにごはんを混ぜたり、ライスコロッケにしたりしましたが、やっぱり気付かれ、一口しか食べませんでした(泣)」(Mさん・35歳・4歳児のママ)

 

という失敗談も。

食器を変えてみる

「100円ショップで子どもと一緒に新しいお茶碗を選び、楽しみだねー、お茶碗さんがどんなごはんを入れてくれるかな~って言ってるよと盛り上げたら、少しだけふりかけごはんを食べてくれました」(Tさん・32歳・3歳児のママ)

 

「上の子が小さい時の話ですが…ブッフェ形式のお店で、9つに仕切られたお皿が楽しかったのか、そのうちの1マスに白いごはんを入れたら、数週間食べなかったのに、ペロッと食べたんです。そこで家でも、4つに仕切られたお皿を使ってみたら、ごはんだけじゃなくてちょっと苦手なナスも食べられてびっくり。ただ、ずっと使うと慣れてしまうので、特別感が出るよう、たまに使うようにしていました」(Rさん・38歳・3年生と5歳児のママ)

場所を変えてみる

「保育園ではごはんも食べているようなので、アレルギーとかではなく、そんなに好きじゃない程度なのだろう、家では嫌なことをがんばってやりたくないのかなーと。そこで、週末はおにぎりや巻き寿司にして、ベランダや公園で食べてみようか?と言うと、たくさんはムリですが、それなりに美味しそうに食べてくれましたよ。遊び疲れてお腹が空くと、目の前のモノなんでもいいから食べるっていうのもあるみたい」(Kさん・36歳・4歳児のママ)

 

「いまはちょっと控え気味ですが、外食だと気分が変わって食べることも多いですよね。外食は野菜不足にはなりがちだけど、ここ数日子どもが食べたものを思い出し、米を取るか野菜を取るか…と考えて、回転寿司とかに出かけちゃうこともありました」(Fさん・30歳・3歳児と1歳児のママ)

しばらくあきらめる

過去にお子さんが、白米や特定の食材を食べなくて困った…という人からは「しばらくあきらめたらラクになった」という声もよく聞きます。

 

「保育園の園長先生に、もう長いことお米食べてないんですって話したら、だいじょうぶよー!毎年、果物しか食べない子とか、お肉一切食べずに大きくなった子とか、いっぱいいるけどみんなげんき!って励まされてずいぶん気が軽くなり、しばらく考えないで過ごすことにしました」(Aさん・31歳・3歳児のママ)

 

「食べなくてもいいや」と割り切れないのは、栄養バランスなどももちろんありますが、周囲からの「ちゃんと食べさせないと」という圧力もあるのではないでしょうか。

 

「食べないなら最初から出さない方が、親子ともに気が楽なのですが…夫が、なんでごはん出さないの?と。食べないからと言うと、子どもに怒って無理矢理食べさせようとするので、私が必死に工夫していた感じです」(Iさん・33歳・5歳児のママ)

 

また、Eさん(42歳・中学1年生と小学4年生のママ)は、自分の中にも無意識の「なんでもきちんと食べさせないと」というプレッシャーがあったといいます。

 

「義父母やママ友から、ごはんを食べないなんて、ちゃんとしつけしているの?と思われそう…という思い込みもありました。いや、実際思っているかもしれませんが(笑)食事のたびに子どもを叱って、やっぱり食べなかったごはんを捨てて…と辛くなるくらいなら、焼き魚とうどんやパンでもいいじゃない!とあるとき割り切って考えることにしました。すごく気楽になりましたよ!」

 

ちなみにEさんのお子さんたちは、今はもう食べなくていいよ!というほどごはんもおかずも食べるそうです。

逆に「子供がごはんしか食べない」と困る人も…

ところで、子どもがお米を全然食べないのも気になりますが、逆に「白いごはんしか食べない」と困っている人もいるようです。

 

おかずは素材のバリエーションがありますが、白ごはんにはタンパク質やビタミン・ミネラルなど足りない栄養素もあるので余計に気になるというママも。

 

「カレーや親子丼など、あくまで主役は白ごはんですよ…という体で出してみたり、唐揚げやキンピラゴボウ、ひじきなどのおかずを白ごはんのおにぎりに具として入れてみたり。それでも残す時もありますが」(Uさん・29歳・3歳児のママ)

 

と、なんとか野菜や肉も食べられるように工夫していたママも。

 

なお、発達障害の特徴の1つに「特定の食材しか食べられない」というものがあり、白いもの(ごはん・うどん・豆腐など)しか口にしない子も存在します。

 

その場合も、少しずつ食べられる食材の幅は広げていきたいですが、無理強いはせず、専門家と相談して進めていく必要があります。

幼児期にごはんNGだった子、給食はどうしてる?

小さいうちは、保育園や家で無理に白ごはんを食べさせなくても「元気ならよし」としていたけれど、小学校の給食ではそれが通用するのか不安な人もいることと思います。

 

関連記事:不登校になる子も…学校給食の行き過ぎた完食指導から我が子を守るには

 

しかし、一部の小学校ではまだ「完食」を目指して無理強いするなどのニュースも聞きますが、最近では「食べることを嫌いにならないように」という方針をとっている小学校がほとんどです。

 

「小学校の入学時に気になることのアンケートがあったので、真っ先にごはんのことを書きました。すると、基本的に1度はすすめるけど、無理には食べさせませんと説明を受けて安心しました。4年生になり、やっぱりごはんを残す日もあるけど、本人なりに食べているようです」(Jさん・40歳・4年生のママ)

 

「うちの子は、5歳すぎたら急にごはんを普通に食べるようになり、心配していた小学校入学には間に合いました。ただ私はここ数年間で料理がトラウマ(また残されたらどうしよう)になってしまったのがちょっと残念です(笑)」(Hさん・38歳・1年生のママ)

 

「保育園の給食の時間には、保育士さんがこまめに声をかけたり励ましてくれ、渋々ながらごはんも食べていたのですが、小学校はそうはいかないですよね。とても心配でしたが、いちおう大部分は食べているようです」(Sさん・35歳・1年生のママ)

 

筆者の小学校時代(昭和)からは考えられないですが、今は給食の配膳時にリクエストするとごはんやおかずの量を少なめにしてもらえる学校が増えています。

 

最初に学校やクラスの方針を確認して、子どもにも伝えておきたいですね。

子供のペースや気持ちに寄り添った対応を

「元気ならOK」 「そのうち食べる」

 

と言われても、その渦中にいるときはとても長く感じられ、この子はもう永遠に白ごはんを食べないのかも…小学校の給食どうしよう…と不安になってしまいますよね。

 

毎日2回、3回とやってくる食事がすっかり憂鬱な時間になってしまったと嘆くママも。

 

今回の記事も参考に、できる範囲で工夫してみて、それでもダメならしばらくお休みしてしまいましょう。

 

周囲の人も、「だから身体が小さいんじゃない?」「お米食べられないと将来困るよ」など、ママをはじめとする保護者を追い詰めるような言葉は控えたいですね。

 

文/高谷みえこ