スマートフォンやタブレットが普及し、インターネットやゲームの低年齢化が進む昨今。

 

もはや子どもの生活とゲームは切り離せない状況ともいえます。「ゲームのやりすぎはよくない」と言われて育った私たち親世代は、子どものゲーム利用にどう向き合えばいいのでしょうか。

 

前回の「ゲームは悪なのか?児童精神科医に聞いてみた」では、ゲームは子どもに医学的な悪影響はないと教えてくれた関先生。今回は、ゲーム好きな子どもに「親がやってはいけないこと」について伺います。親が子どものためと思ってやっていること、もしかしたら逆効果かもしれません。

 

PROFILE:関 正樹(せき・まさき)

1977年生まれ。児童精神科医。医療法人仁誠会大湫病院児童精神医療センターに勤務。主な共著に『発達障害をめぐる世界の話をしよう~よくある99の質問と9つのコラム』(批評社)、分担執筆に『おそいはやいひくいたかい107号 特集 ゲームのやりすぎを心配するとき』(ジャパンマシニスト社)などがある。

ゲーム実況動画を見たことがありますか?

子どもはゲームをやりたがるけど、学校の宿題もあるし…。親としてはつい、口うるさく注意してしまいます。けれど関わり方によっては、関係を悪化させてしまう原因にもなるそう。ゲームが好きな子どもに、親がやってはいけない5つのポイントとは?

 

1. ゲームは悪いものだからとやらせない

今やゲームやYouTubeを知らないで子ども世界を生き抜くのは難しい時代。私たち親世代が昔、テレビドラマやバラエティ番組の話題で盛り上がったように、「少なくとも子どもにとってのコミュニケーションツールとしての利点は無視できない」と関先生は言います。

 

「最近のゲームはクリアや勝敗だけでなく、『あつ森』のようにゲームのなかでもコミュニケーションすることが目的のものもあります。特に今年の外出自粛期間は、友だちと会わなくても遊べましたよね。

 

親は、『ゲームは悪』と決めてしまうのではなく、子どもが好きなゲームの良いところを3つくらい見つけてみてはどうでしょうか。例えば、『フォートナイト』というオンラインバトルロイヤルゲームであれば、雨の日でも友だちと遊べる、ゲームが強いと友だちに尊敬されて自信がつく、作戦を立てたり判断力がつく、などですね」

 

2. 約束事を現実的でない時間で決める

ゲームで遊ぶ時間を決めている家庭は多いでしょう。しかし、子どもとゲームの約束を決めるときに大事なのは時間よりも、区切りポイントを知ることなのだそうです。

 

「よく『ゲームは1日30分』というルールを聞きますが、時間で区切ることは現実的ではありません。お子さんがやっているゲーム、30分で何ができるか知っていますか?30分ではほとんど何も楽しめないゲームもあるんです。具体的には、『スプラトゥーン』は30分あれば何試合かできます。『あつ森』は住民にあいさつしてほぼ終わります。『フォートナイト』は1回くらいならできますが、2回終えるのは厳しいかもしれません。

 

もし、ゲームのことをよく知らない方は、ぜひお子さんが好きなゲームのYouTubeの実況動画を見てみましょう。大体のプレイ時間や内容がわかるから、子どもがゲームを区切りやすいポイントが分かりますよ」