サンドイッチはとても自由な料理です。

 

丁寧に作った卵サラダはもちろん、昨日の残り物のコロッケまで、どんな具材を挟んでも美味しく仕上げてくれる。

 

そんなサンドイッチだけのレシピ本『明日もサンドイッチ』(生活情報研究所刊)を出版されたフードコーディネーターの進藤由美子さんに、「ひと味違う、とびきりのおいしさ! 定番サンドイッチを上手に作るコツ」を教えてもらいました


ポイントさえおさえればOK。定番サンドを上手に作るには?

サンドイッチって誰にでも作れるようでいて、「おいしいもの」と「そうでもないもの」の差が、結構大きいような気がしませんか?

それは、工程における「ちょっとしたこと」を丁寧に行っているかどうか、がポイントになります。ハム野菜サンドやBLTサンドなどの定番のサンドイッチを「おいしい!」と言わせるための、8つのポイントがこちらです。

【ポイント①】具材の水けをしっかり取る

野菜など水分が多い具材をサンドする場合は、キッチンペーパーなどで野菜の水けをしっかりととりましょう。トマトの場合、すぐに食べないときはタネを取りのぞくのがおすすめ。

【ポイント②】バターは常温でやわらかく

おいしいサンドイッチに欠かせない、バターの存在。パンのすみまでまんべんなくバターを塗ることが、おいしいサンドイッチを作るポイントです。冷蔵室から出したばかりだと硬くて塗りづらいので、常温に戻しておきましょう。「あ、忘れてた!」という場合は、弱いワット数の電子レンジに数十秒かけて、溶かします。

 

【ポイント③】具材がバラバラにならないよう「糊」の役割のものを

サンドイッチをほうばっていると、パラパラと具材が落ちてきてうまく食べられない…ということ、ありますよね。具材がずれないようにするには、「糊」の役割をする調味料を少量加えること。マヨネーズやチーズ、マスタードなどが代表的な例です。

 

【ポイント④】挟む具材はひと口サイズに切る

サンドイッチの具材は、ひと口サイズに切り、パンの形に揃えるておくと綺麗に仕上がります。たとえば四角い食パンに丸いハムなら、半分に切って、端を揃えましょう。

 

【ポイント⑤】葉野菜はくるくると丸めて入れる

レタスはサンドイッチに欠かせない野菜ですが、広げた状態で挟むと、食べているうちに1枚だけべろんと出てきてしまうことが。そこでオススメなのが、くるくると丸めて均等に並べる方法。これだけで、重なりあった具材も崩れずにすみます。

 

【ポイント⑥】乗せるときは「平らに」「均等に」

具が多いほうがおいしいから、てんこもりにしちゃえ!と思い、いっぱい具を乗せたくなる気持ちはわかります。ですが、ここでグッとこらえて。あまり欲張らずに、全体に均等になるよう平らに乗せること。はみ出さないこと。を意識して、重ねましょう。

 

【ポイント⑦】はさんだあとは「なじませる」

写真のようにバットなどで重しをし、冷蔵室で20〜30分おきます。そうすることで、具材と具材がなじみます。格段に食べやすくなるのはもちろん、味もうまくなじみます。

 

【ポイント⑧】切るときは「上から一気に」

冷蔵室から取り出したら、よく切れるブレッドナイフでカットします。ポイントは、ナイフの両側に指を添えて、具材がずれるのを各方向からおさえること。上から一気にざくざくと切っていきます。何回か切る場合は、1回ごとにナイフの刃をキッチンペーパーなどで拭きましょう。

 

進藤さんのおすすめ!
ブロッコリーとゆで卵のサラダサンドイッチのレシピ

今回、進藤由美子さんにはおすすめのサンドイッチレシピも教えてもらいました。

 

夕飯のおかずを、翌朝に残しておいてサンドイッチにリメイクするという、「一粒で二度美味しい」レシピ。茹でておいたブロッコリーとゆで卵をマヨネーズであえたサラダを、サラダとサンドイッチ、両方で楽しめます。サンドイッチで食べるときは、いりごまを加えて香ばしさがプラスされているのがポイントです。

 

(撮影:進藤由美子)

【材料(約4人分)】

イングリッシュマフィン……数枚

<ブロッコリーとゆで卵のサラダ>
 ブロッコリー……1株
 卵……2個
 マヨネーズ……大さじ2と1/2
 塩・粗びき
黒こしょう……少々
 きび砂糖……ひとつまみ

白いりごま……少量


ディル又はパセリ……適量


エキストラバージンオリーブオイル……少量

【作り方】

<ブロッコリーとゆで卵のサラダを作る>ブロッコリーは小房に分ける。鍋にブロッコリーの半量ほど湯を沸かす。塩とブロッコリーを入れ、フタをして強火で蒸す。50秒ほどでザルにとり、湯をきって冷ます。

②ゆで卵を作る。卵は冷蔵室から出して5分ほど常温におく。 鍋に湯を沸かし、卵を入れ中火で7分ゆでたら火を止めて2分放置する。冷水にとって殻をむき、白身と黄身を分け適当な大きさに刻む。

③ボウルに❶と❷を入れ、マヨネーズであえ、塩と黒こしょう 、きび砂糖で味を整える。

<サンドイッチを作る>イングリッシュマフィンは手ではがすように半分に割る。オーブントースターでカリッと焼き、人肌程度になるまであら熱をとっておく。

⑤皿にイングリッシュマフィン1枚をおき、③を適量のせる。いりごまを指でひねりながらふり、ディル又はパセリなどを散らす。仕上げにエクストラバージンオリーブオイルをかけ、もう1枚のマフィンではさむ。

作るときのポイント

  • ブロッコリーはサラダで食べるなら大きめの房に分けてもいいですが、サンドイッチに する場合は小さめに分けた方が食べやすいです。
  • 卵の白身と黄身を分けてから刻んだほうが、刻みやすくておすすめです。

 

PROFILE 進藤由美子

フードコーディネーター、テーブルコーディネーター、料理撮影スタジオ経営を経て、2002年より料理教室「Cooking Studio Y」を主宰。国内や海外で食関連の知識や情報を長く研究し、その成果を毎月のレッスンで発表する季節の創作料理に生かしている。大人の遊び心にあふれた自由な発想のテーブルコーディネートにも定評があり、日々の食卓に新しい彩りを添えるヒントやアイディアとともに、笑顔の広がる豊かな食空間と時間を提供する。

 

参考書籍『明日もサンドイッチ』(進藤由美子・著)

寒くて体が動かないからホットサンドを作ろう!なんだか疲れているから、ボリューミーなサンドイッチで喝を入れよう!パーティで残ったローストビーフで、ごちそうサンドイッチができた!……今でもコロッケをわざと余らせて、小学生のころよく食べたコロッケサンドにしたくなる。「明日もサンドイッチにしよう!」 (Introduction/ サンドイッチと私 より)

 

文/松崎愛香 撮影/三木麻奈(進藤由美子著『明日もサンドイッチ』より)