【この記事は、CHANTOママライターによるウェブ限定記事です】
ライター名:外山ちえ子
京都や金沢に負けない江戸の染色技!
『日本の染色技術のメッカ』と聞けば、おそらく大多数の方が「京都」「金沢」辺りを連想するかと思います。確かに京都や金沢の染色は華やかで素晴らしいです!しかし私の様な江戸っ子ですと、やはり東京に残る小粋な染色文化が実は好みであったりします。私は頻繁に着物を着る訳ではありませんが、国際交流関連活動および以前茶道を習っていた関係上、多少の着物の保有と知識はあります。そして手持ちの着物は圧倒的に江戸っ子好みの渋い柄&色のものが多いですね(笑)。そんな私のお気に入りの着物の中に、東京の新宿区にて染められている『江戸更紗』の単衣があります。この江戸更紗の染色工房『二葉苑』では、気軽に誰でも染色体験および染色文化学習が出来ます。今回は、最近では外国人観光客にも人気のスポットとなっている『二葉苑』についてご紹介したいと思います。※写真は筆者保有の着物の柄
江戸染色を楽しく学べる『二葉苑』とは?
最初に、二葉苑の所在地、東京都新宿区落合・中井エリアについて簡単にご説明いたします。実はこのエリアは、昔から東京の染色の中心地で、日本3大染色産地にも数えられる程染色産業の盛んな地域であり、沢山の染色産業が今でも息付いている場所です。毎年地域を挙げた染色イベントなどでも盛り上がり、国内外の着物ファン及び和文化ファンが多数訪れる、今や知る人ぞ知る東京の隠れた観光スポットとなっています。二葉苑は、そんな落合・中井エリアの中でも代表的な染色工房であり、年間を通じて様々な染色体験イベントを開催しています。例えば「春は桜」「夏は金魚…」等、染めるモチーフも季節によって変わり、年に一度の大イベント「大染色祭」では、数日間に渡り様々な手法の染色を好きなだけ体験することができます。この様に何度リピートしても違う手法や柄行きの染色が楽しめ、常に新しい発見があります。私も過去数回二葉苑の染色ワークショップに参加しましたが、現役職人さんのきめ細かい指導があるため、素人でもそれなりに見栄えの良いものが“ぶっつけ本番”でも作れるので安心して参加できます。それに加えて体験価格がとても良心的なのでリピートしやすい(笑)。私は主に「型染め」「更紗染め」「色指し」等を体験したのですが、お洒落な柄かつ実用的なアイテム(風呂敷・ブックカバー地など)を染めたので、今もこれらの作品を実生活で活躍させています。
※左:麻地に型染めをしたブックカバー / 右:ピンク地の布に型染めした大版風呂敷ちなみに、一般の染色体験の他に、年に数回通いで染色を勉強するコースもありますので、より本格的に染色を学びたい方はこちらの通いのコースでレベルの高い染色技術の学習・実習も出来ます。 また、職人さんの手法や染色道具の見学も間近で出来ますので、江戸の染色レベルの高さ及び職人さん達の技術の素晴らしさに圧倒されつつ、日本の染色文化の素晴らしさを再確認できます。そしてこちらの二葉苑の着物ですが、オリエンタルかつモダンな柄行きのものが多いので、洋服が主流の現代社会にもしっくりなじむ着物を求める方には最適だと思います。元々『更紗』は海外から日本に渡ってきた柄という事もあり、“いかにも日本の古典柄!”という柄に比べて、洋服感覚で身に付けられる気軽さがあります。気軽に“着物デビュー”を考えている方は、江戸更紗柄の着物や帯は個人的にお勧めです。また、着物を着るまでにはいかない方も、工房では更紗を使ったかんざしやポーチ等、小物の作成・販売もしていますので、そういったものをさりげなく取り入れても小粋なお洒落が楽しめます。私は海外の友人へのプレゼントにこちらの小物を贈った事がありますが、結構喜ばれますよ♪
※写真左:染色イベントにて型染め用の『伊勢型紙』を彫る職人さん / 右:職人さんによる型染め途中の反物
子供も楽しく日本の染色文化を学べる!
こちらの二葉苑では、親子連れで参加できるイベントも年に数回開催しています。夏休みや冬休み等の学校休暇期間のイベントをはじめ、修学旅行の学生さん達向けの団体染色体験等も相談に応じて開催しているそうです。染色体験は「ハンコ染め」等の簡単なものは未就学児でも可能ですし、「型染め」「絞り染め」体験等なら小学校高学年位から可能かと思いますので、“親子で共同染色”なんて楽しみ方も出来ますね。(過去、年に一度の大イベント『大染色祭』では親子連れ参加者を多数見かけました。)私は今までは単独でワークショップに参加していましたが、息子が昨年小学生になったので、今年はぜひ夏休みのイベントに親子で参加したいと企んでおります。庭には金魚も泳いでいますので和みますよ♪
また、年に数回「浴衣染め」「半幅帯染め」等の大物を染めるイベントもありますので、“娘さんにファースト浴衣を自分で染めてプレゼントしたい”とか“結婚10周年の夫婦花火デートに自作の帯を作って身に付けたい”という方は、是非良い記念となる『オンリーワンアイテム』作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?私も将来息子がお嫁さんを無事見つけてきたら、お嫁さん用の浴衣や帯を染めてみたいものです…叶えばいいんですけど(笑)。