自分の子どもがワキガだとわかった時、日々のケアだけでなく、治すために病院での手術も視野に入れる場合もあるでしょう。
実際に手術を考えた際、何歳くらいから可能なのか、傷跡は残らないのかなど、気になることはたくさんあります。前回から引き続き、子どものワキガ手術について、銀座長澤クリニック院長の長澤誠一郎先生にお話を伺いました。
PROFILE 長澤誠一郎先生
小さい子どもでも手術はできる
現在は技術も進んでいるため、ワキガの手術とひと口にいっても、さまざまな方法があります。治療方法によっては子どもが小さくても対応することができ、7歳ころからでも手術は可能です。
「ただし、いくら親が手術を希望しても、子ども本人が納得していない場合は行いません。本人に自覚があり、身体に負担があっても受けるという意思表示があったときに治療します」
具体的にどのような治療方法があるか、代表的な例を見ていきましょう。
切開法(反転剪除法)
ワキガ治療のなかで、もっとも効果が高い方法です。わきの下を切開し、皮膚の裏側を確認しながらアポクリン汗腺を取り除いていきます。医師が直接目で確認して、においの元であるアポクリン汗腺を削除するため、症状はほとんどなくなります。症状が強く、しっかりと治したいと考える人に向いている方法です。
「一方で、身体への負担は大きいです。手術中は麻酔が効いているものの、切開するため痛みを伴います。もちろん、痛みは時間が経てばひいていきますが、術後1週間くらいは入浴できず、患部をぬらすこともできません。また、わきの下に傷跡が残るデメリットもあります」
ビューホットなど(機械を使う方法)
最新機器のビューホットは高周波を照射し、アポクリン汗腺を焼き切ってにおいの元を破壊していきます。一度の治療でアポクリン汗腺の6~7割程度は消滅させることができます。
「においを除去する効果は切開法のほうが高いものの、ビューホットは皮膚への負担が少なく、傷跡も残りません。施術当日から日常生活を送ることができるという大きなメリットがあります。現在は、子どもを含むほとんどの方がこの方法で治療されています」
手術を考える際は、本人としっかり話し合いを
手術の方法として、「子ども向け」の方法があるわけではありません。
「どこまで身体に負担をかけるか、またはどれだけにおいを除去したいかという希望により、治療方法を選んでいきます。手術を受ける際は、子ども本人の意思を尊重し、医師とも相談しながら状況に合った方法を選択しましょう」