制汗剤の使い過ぎには注意!
もし子どもがワキガだった場合、日常的なケアはどうすればいいのでしょうか。
「症状を軽減させる食事や生活習慣などが紹介されていることもあるようですが、残念ながらこれらには医学的な根拠はありません。一番確実なのは、やはりこまめに汗を拭き、制汗剤などを使うこと。アポクリン汗腺から出る汗自体にはにおいがないため、常在菌と合わさることがないよう、清潔な状態を保つのが大切です」
一方で、制汗剤の使い過ぎには注意が必要だとか。
「制汗剤は皮膚の常在菌を殺してしまう成分が入っています。常在菌はにおいの原因になるものではありますが、同時に皮膚を守る重要な役割も果たします。そのため、皮膚が弱いと、制汗剤によって肌荒れを起こす場合も。使用しすぎには注意するなど、親御さんが上手にコントロールしてあげてください」
肌に優しい方法として、ミョウバンを使うのもオススメだと長澤先生はいいます。
「ミョウバンは昔から伝わる民間療法として、ワキガに効くとされています。肌荒れを起こしにくく、水に溶かしたものを患部にスプレーしたり、拭いたりすると症状が緩和されるといわれています」
また、においを気にしすぎないことも大事。ストレスがかかった状態だと、においの元となる前駆物質が多く作られ、体臭が強くなるという研究データもあるそうです。
「これは、大人を対象にした実験でしたが、子どもにも当てはまります。においをまったく気にしないというのは難しいかもしれませんが、あまり悩みすぎないことも大切です」
ここまで挙げたことはどれも地道なことばかりです。けれど、気になる部分を清潔にするという基本的なことをきちんとすることが、もっとも効果があるそうです。
次回は、ワキガを治す「手術」の中身についてご紹介します。
文/齋田多恵