お姑さんへの思いを込めた「お義母さんへ」という漫画が話題となっています。SNSで公開されると、ツイッターでは約1.6万いいね、インスタグラムでは約2.4万いいねがつき、「涙があふれた」「お義母さんを尊敬されているのを見習って自分もいい関係を作りたい」「自分もこんなお姑さんになりたい」という声がたくさん寄せられています。
漫画『お義母さんへ』
話題になった「お義母さんへ」はこちら。作者のなかのいとさんに許可をいただき掲載させていただきました。
心温まるこの漫画には、なかのさんがお姑さんにお世話になった経験、すれ違ってしまった経験から生まれた深い感謝が込められています。マンガの背景について、なかのさんに詳しく聞きました。
お義母さんの優しさを受け入れられなかったあの時の自分
「私の実の両親は海外に住んでいるので、産後は義実家でお世話になりました。とても優しいけれど、数回しか顔を合わせたことのない義両親のお家で、初めての育児と寝不足、産後特有の頭の回らなさで、いっぱいいっぱいになり色んな感情を言葉にできないまま、毎日が過ぎて行きました」
そんな初めての育児生活の中で、お姑さんの優しさを受け止められないこともあったといいます。
例えば、産後、生まれたばかりの娘さんの体重が増えずに悩んでいるときのこと。お姑さんがお風呂上がりの娘さんに湯冷ましを飲ませていくれていたそう。しかし、その姿になかのさんは「今は水を飲ませている場合じゃないのに…」と不満を覚えてしまいます。
「今考えれば、”ありがとう” で済む話なのに、好意だと分かっていても上手に受け取れないこともありました。そんなとき、お義父さんと”よくしてあげたいのに、難しいね”って話してるのが聞こえて、”こんなに優しい人たちにイライラする、産後メンタルの自分が恐ろしいからもう家に帰りたい”と主人に泣きついて、里帰りを切り上げました」
心配りを素直に受け取れず、優しいお姑さんを傷つけてしまう自分が怖くなったなかのさん。
「帰宅の日、タクシーに乗り込むとき、”よくがんばったね”って、抱きしめてくれたお義母さんに、ただぼんやり”ありがとうございます”って笑うのが精一杯で、いつかきちんと言葉にして感謝を伝えたいと思いました」
その伝えそびれた想いが込められ描かれたのが「お義母さんへ」です。
産後はすれ違いもあったふたりですが、時間が経った今ではそうしたこともなくなり、互いによくLINEをしたり義実家にも頻繁に遊びに行く関係だそう。
なかのさんは、マンガに描かれているようにお姑さんの素敵だなと思ったところをお姑さんに伝えるうことを大事にしているといいます。
「素敵だなと思ったとき、上手に言えないこともあるけど拙く
お姑さんに限らず、誰かと関係がギクシャクすることがあったとしても、相手の好きなところや尊敬するところを少しずつでも言葉にしていけばその思いは相手にも伝わっていくはず。シンプルだけど難しく、人間関係においてとても大切なことですよね。
ちなみに、なかのさんは「”お義母さんへ”のマンガは、恥ずかしくてまだ見せていません(笑)」と話してくれました。