小さなお子さんを育てているママ・パパは、バタバタと忙しい朝や外出前に子どもの着替えに時間がかかると焦ってしまいますよね。
イヤイヤ期でなかなか素直に着替えてくれなかったり、親が着替えさせてしまった方が早いのに本人が「自分で!」と主張したり…。
いつかは1人で着替えられるように教えていかないといけないけど、いったい何歳頃から練習するもの?と迷う人もいることと思います。
そこで今回は、年齢や発達に応じた子どもの着替えのポイントと、ママたちからの「子どものお着替えテクニック」を紹介します。
子どもの着替え、ここが困る&迷う
まずは、いろいろな年齢のお子さんのママたちに、子どもの着替えについて困っている点を教えてもらいました。
「今月、0歳7ヶ月になった娘。ロンパース(上下つなぎ)のベビー服がたくさんあるのでサイズが合ううちは着せたいのですが、最近は寝返りからおすわりができるようになり、着替えのために仰向けにすると嫌がるようになってきました。追いかけ回して足までスナップを留めるのが大変なので、上下別にすべきかなと迷っています」(Rさん・32歳)
「長男1歳半ですが、最近、着替えさせようとすると嫌がって怒ります。腕をピーンとつっぱるので、長袖のシャツを着せるのが難しい…」(Uさん・29歳)
「2歳の息子、朝、自分で着替えたがるのはいいことだとは思うのですが、やっぱり時間がかかります。ズボンの足を入れるところが見つけられないと怒るし、手伝おうとするともっと怒るし…保育園に遅れてしまうので困っています」(Wさん・34歳)
「夫の転勤でいったん退職。第2子も考えているので、長男は来年幼稚園の年少(3歳)クラスに入園予定です。まだボタンとか留められないんだけど、園の制服にはボタンもあるので、それまでにひとりで着替えができるようになっていないとダメですよね…?!」(Nさん・33歳)
「4歳の息子、スイミングスクールに通っていますが、まだレッスン後ひとりで着替えができないので、更衣室に一緒に入って着替えさせています。本当は密を避けるため、1人で着替えさせた方がいいのですが…」(Sさん・37歳)
年齢や発達段階にあわせた「お着替え」を
子どもの着替えは、年齢や発達の段階によって、どこまで手伝えばいいのかが変わってきます。
赤ちゃん~1歳
まだハイハイの赤ちゃんでも、服を脱がせようとすると先を予測してバンザイするなど、着替えの意味や動作はかなり早くから理解している子はけっこういます。
ただ、自分ひとりで着替えられるのはまだまだ先のこと。
なかには1歳でもゴムのズボンくらいならはける子や、ボタンまでとめられるような子もいますが、基本的には自立やしつけなどは気にせず着替えさせてあげてよいでしょう。
2歳~
2歳になると脱ぐのはひとりでできるようになってくる子が多いですが、「着る」のはまだまだできない子もたくさんいます。
本人に意欲があればそろそろ1人で着替える練習をはじめてOK。
ただ、手先や骨格の発達からいうとできない動作も多く、腕が短くてズボンをしっかり上まで引き上げられずお尻が半分出たまま…というかわいい姿もよく見かける時期です。
また、2歳児は「なんでも自分でやりたい」時期にあたりますが、これにも個人差があり、なかには自分で着替えたがらない子も当然います。
- ときどき「自分で着てみようか?」などと声をかけてみて、乗ってこなければ無理強いせずまた数日後に声をかける
- 子どもが「やりたい」と言ったらチャンスを逃さず挑戦、さりげなくサポートして、少しでもできたらその部分をほめる
といった対応がおすすめです。
また、2歳ではまだ服の前後や裏表が判断できないことは珍しくありません。
「自分で着替えたがるけど、すぐ前後が逆になり、直そうとすると怒る」というときは、以下のようなデザインの服で対処できます。
- 前後が違っていても目立たないデザインの、ボタンやえりのないデザインの服
- 前面だけにキャラクターがついているなど、小さい子にも分かりやすいデザインの服
お子さんとママやパパの好み、他の服との組み合わせなどを考えて選ぶといいですね。
3歳~
3歳になると、かなり服の前後や裏表などは判断できるようになり、ボタンも留め外しできる子が増えてきます。
段違いにならないよう、「ボタンは下から留めようね」などと声をかけてあげましょう。
また、自分なりの価値観や判断基準がはっきりしてくる年頃なので、デザイン・肌触り・サイズ感が合わないと、断固拒否する子も出てきます。
「特定のTシャツしか着ない時期があり、色違いを3枚買ってひたすらヘビロテしていました」(Aさん・36歳・当時3歳児のママ)
自分で服を選びたがる子も多く、柄物×柄物などの「へんてこコーデ」になりがちですが、できるだけ目をつぶってあげましょう。
4歳~
手先がずいぶん器用に動かせるようになり、基本的な着替えは1人でできる子が多くなります。
ただ、「下の子が生まれた」「園でがんばった反動」などの理由で、これまでできていたことをやらなくなり、ママが忙しそうな時にかぎって「靴下はかせてー」などと言い出すことも。
基本的には「甘えたい」「愛情確認」なので、手伝ったら自立が妨げられるのでは?という心配は不要。
「自分でできるでしょう!」と押し問答するよりも、さっさと機嫌良く手伝ってあげても問題ありません。
また、大人のファッションをそのまま小さくしたようなおしゃれな子ども服は、伸縮性がなかったり、子ども1人では着脱しにくい作りになっていることもありますので、引き続き様子は見てあげるのがベター。
どの年代も、ママからは「兄弟姉妹で同じように育ててもぜんぜん違う」という声も多く、個人差が大きいのが特徴です。
他の子と比べず、その子のペースを尊重してあげたいですね。
ママたちの「ひと工夫」教えて! 子どもの着替えにまつわる、ママたちの工夫を聞かせてもらいました。
「立たせてオムツ交換するときは、まず新しいオムツを足首にはめ、古いオムツをはずすのが早いですよ」(1歳児のママ)
「袖口からのぞき込んで、お手々さーん、出ておいでー!と呼び、出てきたらこんにちはー!と握手する遊びをよくやっていました」(2歳児のママ)
「子どもにとっては着替えなんておもしろくないだろうから…と、子どもの目線になってみると、もし嫌がったとしても、そりゃそうだよねとあまりイライラしないですみます(笑)」(2歳児のママ)
「着替えなさい!だと、イヤ!と返ってくるので、2つ出してどっちを着る?と子ども自身に選ばせます。お風呂の前は、シャツとズボンどっちから脱ぐ?というパターンも」(2歳児のママ)
「あまりにも、朝の着替えのイヤイヤがひどいので、もうあきらめてパジャマと服を兼用にしてます。保育園でもたまにパジャマっぽい服で来ている子がいるので、勝手に心の中でお仲間…と思っています(笑)」(2歳児のママ)
「口で着替えようねといってもなかなか取りかからないので、片足入れるところまでは手伝います。その状態で手を離すとあとは自分でやりますね」(3歳児のママ)
「スーパーや運動会でかかっているようなテンポの速い音楽をスマホで流してみたら、子どもの動きも速くなっておもしろかったです!」(4歳児のママ)
「引き出しから服を出して着替えるのはハードルが高いかなと思い、ポールハンガーなどに服を吊り下げて見える化しています」(4歳児のママ)
「着替えの動きはできるのですが、なかなかズボンやパンツの前後が覚えられなくて。ズボンのおなかの内側にお名前を書き、まず名前が見えるように床やテーブルに置くといいよ、と教えました」(4歳児のママ)
「保育園ではちゃんと着替えできていますが、家ではだらけて時間がかかるのが困ります…よーいドン!で親と競争で着替えたり、10秒以内に脱げるかな?とカウントダウンしたりしてなんとかスピードを上げてます」(5歳児のママ)
「靴下が苦手で、すぐかかとが上側に来ちゃうんですよね。ママ友に教えてもらった、足の甲にキャラクターがついてる靴下の日はちゃんとはけるので、急ぐ時はいつもそれを出しています」(5歳児のママ)
おわりに
「1人で着替えられる時期」は、子どもが成長してみればさほど大きな問題ではないのですが、周りの同年齢の子がじょうずに着替えているのを見たり、急いでいる時に着替えで手間取ったりすると、「早く1人で着替えられるようになってほしい」と思ってしまいますよね。
ママたちの体験も参考に、その子の成長を楽しみつつサポートしていけるといいですね。
文/高谷みえこ