1日1分のツボ押しで免疫力アップ

スマホのヘルスケアアプリを開いたら1日1000歩も歩いてない自粛中、そんな状態だった方もいるのではないでしょうか。運動不足が続くと、肩こりやむくみなど、身体の不調もちろんのこと、心にも影響が及びます。

 

そうした心身を労わるのに効果的なのがツボ押しです。気軽にできて11分程度でOK。そのメリットや効果的な押し方を、鍼灸美容研究所こきゅう南青山の院長・広瀬志帆さんに伺いました。

 

PROFILE 広瀬志帆さん

はり師・きゆう師。(有)鍼灸美容研究所 こきゅう南青山院長。自身の体調不良がきっかけで、銀行員から鍼灸の世界へ転身。現在は、90%以上が1年以上リピート来院する「こきゅう南青山」の院長を務めている。施術は、首肩こりから美容・体質改善・妊活・アンチエイジング・不眠など心のトラブルまで幅広く対応。年齢を重ねることで変わる、ライフステージに合わせた施術が評価されている。

むくみや生理不順は運動不足が原因かも?

まず、運動不足によって心身にどんな影響が及ぼされるのか見ていきましょう。人間の身体は、筋肉を動かすことでポンプ作用が働き全身に血液をめぐらせています。

 

つまり、体を動かさないことで血液が滞り循環しなくなると肩こりや冷え、むくみ、生理不順などの原因に。身体は強張り、睡眠の質も悪化し、そのため疲れがとれず、心にも影響が出て気持ちが沈んだりイライラして、心身が不調をきたすのです。

 

この状態を東洋医学的には「気(き)」がめぐらない状態といいます。人間のエネルギー源になるのは「気」、血液の「血(けつ)」、リンパや唾液、涙などの「水(すい)」といわれていますが、中でも一番大事なのが「気」。目には見えないものですが、全身をめぐり人間の身体にエネルギーを与える源になります。

 

気はそのままにしておくと減っていくので、食事や呼吸などで補います。ところが、身体を動かさないと食べ物の栄養が吸収しづらくなり、気の質を落として量も増えません。その結果、循環が悪くなり、気力が低下して元気に過ごせなくなってしまうのです。

 

押す場所が少しズレていても効果あり!

人の身体には、気、血、水がめぐる「経絡(けいらく)」があります。これはたとえてみると、身体に張りめぐらされた線路のようなもの。ツボは正確には「経穴(けいけつ)」といい、経絡上にある駅に例えられます。

 

ツボのある場所は、気、血、水がめぐり、経絡が合流したりするなど、とても大事な部分。解剖学的にも重要な筋肉や血管、神経が近い場所にあります。この場所(ツボ)を押すことで、その刺激が神経をたどり脳からの指令で臓器や神経を刺激が伝え、免疫力を高めることにつながります。

 

こう聞くと「ツボを押したとしても、適当な場所を押したら効果がないんじゃないの?」と考える人もいるかもしれません。でも、実際は一般的にいわれているツボの位置から1㎝程度はズレていても大丈夫。なぜなら、経絡の流れに沿っていれば、周辺を刺激するだけでも十分だからです。

 

しかも、人によってツボの位置は異なり、日によっても変わります。触ってみて「イタ気持ちいい」と感じる部分を押して刺激してみて下さい。余裕があれば、経絡のラインをずっと押していくのも効果的です。