テレワークや新しい生活様式が注目される中、生活に欠かすことのできない「エッセンシャルワーク」や人との対面や接触が必須となる仕事もあります。前回は働き方が変わったCHANTO WEB読者に集まってもらいましたが、今回はこうした人との対面が必須とされる対面職業に就く方2名に、現在の働き方全般について感じていることを聞かせてもらいました。

 

参加してくれたのは… 左下:原山絵梨紗さん…エステティシャン。パートとして勤務するほか、自身のサロン運営も行っている。家族は夫、7歳長男、1歳次男。 右下:柿本茜さん(仮名)…看護師。夫婦共に医療従事者。家族は夫、1歳長男。※顔出しNGのため、画面を黒くしています。

 

基本的に仕事内容は変わらないけれど……

──お二人は人との対面接触が必須のお仕事に就かれていますが、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行前後で仕事内容に変化はありましたか?

 

柿本さん:

基本的に仕事内容は変わらないですね。以前は自己申告制だった体調管理が、出勤前の体温測定が必須になり37度以上だと勤務できなくなったことぐらいです。シフトも変化ありません。

 

ただ患者さん側にはお願いすることが増えました。緊急や重要でないオペの延期、外来の人数制限やご家族の面会禁止、入院前には1週間体温測定した記録の提出が必須になるなど理解をいただく面が多く、説明やクレーム対応など、普段とは違う業務が増えました。

 

原山さん:

私は4月に現在の職場であるエステ店に入社したのですが、こういう状況でしたので営業休止になりました。全店集合して開催予定だった研修もオンライン化されましたね。

 

オンライン研修は、本社から全店に向けて配信される形で、顔が見える分コミュニケーションが取りやすかったです。普段の研修は聞くだけになってしまうことが多いので、いい変化だったと思います。とはいえ、一日中画面越しに映像を見続けるのはなかなか疲れますね(笑)。 自粛期間中はどうしてもできる仕事が少なかったので、研修内容の復習に努めていました。

 

また、私はもう一つの仕事として自宅でサロン運営もしていて。普段は対面で美容に関するアドバイスなどをしているのですが、コロナ禍では積極的な呼び込みはせず、希望する方のみお受けする、1日1客に限定するなどして運営体制をかなり制限していました。

 

──どちらも大変な状況だったんですね…。中でも一番大変だったことは何でしょう?

 

原山さん:

勤務するエステ店自体が一カ月間お休みになったので、収入は0になりました。入社したばかりでお客さまとの交流もこれからというタイミングでしたし、そもそも触れ合うことができないので、何もできることがなかったですね…。

 

柿本さん:

仕事そのものがなくなってしまうというのは…コロナが原因とはいえ、困りますよね…。 我が家は夫婦共に医療従事者なので、仕事がなくなるということはありませんでした。とはいえ、常に感染への不安を抱えて仕事をしています。もちろん予防に努めていますが、いつコロナにかかるかわからない状況なので…。

 

原山さん:

「変わらない仕事」だからこそ、ですね。

 

柿本さん:

そうなんです。今回のコロナ禍はたしかに特殊なケースですが、看護師はコロナ禍以前も「変わらない仕事」で、逃げられない場面が多い仕事でした。みなさんの健康を守る医療を担う1人としてやりがいを感じられる一方、従事者の「働きやすさ」を追求することが難しい業界でもあります。

 

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