鼻をかむ子ども

鼻水がタラーっと出ていたり、ズズッと吸いこんだり。鼻・耳・のどの症状は、見過ごしているといつの間にか悪化することも。急に保育園からの呼び出しがかかったり、保育園や学校を休ませることになるのは、働くママにとっては避けたいものです。

 

病院を受診するべきタイミングやおうちでできるケア方法を、耳鼻咽喉科医で2児のママである三塚沙希先生にうかがいました。

 

PROFILE 三塚沙季先生

三塚沙希先生
エムズクリニック白金院長。耳鼻咽喉科専門医。自身も2児のママである経験から、小児耳鼻咽喉科に特に力を入れた診療を行う。公式サイト(http://www.mitsukasaki.jp/)では、耳鼻咽喉科の病気の症状から家庭でできるケア方法など、子どもからお年寄りまで役立つを医療情報を公開している。

 

鼻水が出たら要注意!?鼻水のメカニズム

風邪のひき始めなどに出る鼻水は、小さな子どもだと自分で鼻をかむことも難しく、風邪を長引かせる厄介な存在。放っておくと副鼻腔炎や中耳炎などのトラブルになる場合も。

 

ようやく治まったと思ったらまた出始めた、と頭を悩ませているお母さんも少なくないと思います。実際、子どもは大人に比べて鼻水のトラブルを抱えやすいのです。

 

子どもは免疫が未熟なため、大人に比べて風邪をひきやすい傾向にあります。風邪にはウイルスや感染した部位によってさまざまな症状がありますが、なかでも多いのが鼻水やくしゃみなど鼻の症状から始まるケース。

 

鼻や口から侵入したウイルスが粘膜に付き、体がそのウイルスを追い出そうと鼻水やくしゃみを出すのです。

 

また、子どもは大人よりも鼻腔が狭いため、少しの鼻水でも鼻がつまりやすくなってしまいます。鼻がつまると口呼吸になったり、鼻水がのどにたまって咳やたんが出て苦しくなり、悪化すると気管支炎や副鼻腔炎や中耳炎になる恐れも。たかが鼻水と油断せず、病院の受診やおうちのケアなど早めに対処するようにしましょう。

 

鼻水の色・状態で症状をチェック

では鼻水が出ている場合、どんな症状のときは受診をしたほうが良いのでしょうか。悩んだときは、鼻水の色や状態に注目してみましょう。

 

透明でサラサラの鼻水

透明で水のようにサラッとした鼻水は、ウイルスや細菌、花粉やホコリなどの侵入を防ぐために異物を追い出そうとするための鼻水です。風邪のひき始めに出ることが多く、鼻水の量が少量で、お子さん本人が元気であれば様子をみるので構いませんが、量が多い、鼻づまりがつらそうなときは医師に相談を。早めの治療で回復が早くなることもあります。

 

白っぽい鼻水

ウイルスや細菌が体内に侵入すると、それらと戦った白血球の死骸が混ざり、鼻水に色や粘りが出てきます。透明の鼻水よりも風邪が進行しているので、心配であれば受診を。

 

黄色〜緑色で粘り気のある鼻水

さらにウイルスや細菌が多く侵入すると、ウイルスや細菌と戦った白血球がさらに増えて黄色〜緑色っぽいドロドロした鼻水に。風邪が進行しているだけでなく、悪化してウイルスや細菌が鼻の奥で炎症を起こして副鼻腔炎になったり、耳で炎症を起こして中耳炎になることも。早めに受診をしましょう。

 

また、鼻水は約1週間で症状が治まることがほとんど。それよりも長引く場合はアレルギー性鼻炎の可能性もあります。基本的には透明でサラサラした鼻水で発熱などはありませんが、風邪を引いた際に副鼻腔炎や中耳炎になり、しかも繰り返しやすい傾向があります。気になる方は耳鼻科で検査ができるので、一度受診してみると良いと思います。